ヤセノヴァツ

ヤセノヴァツ

ヤセノヴァツは、クロアチアのスラヴォニア地方に位置する町であり、シサク＝モスラヴィナ郡に属しています。ウナ川とサヴァ川の合流地点に位置し、豊かな自然に囲まれています。町の名前は、この地域に多く見られるトネリコの木、またはトネリコの森に由来すると言われています。

歴史

ヤセノヴァツは、第二次世界大戦中にウスタシャによって設置されたヤセノヴァツ強制収容所があった場所として、その名を知られています。この収容所は、ナチス・ドイツの強制収容所と同様に、多くの人々が虐殺された場所であり、その犠牲者数は諸説あります。

犠牲者の数については、170万人とする説から、より信頼できる情報源では100万人から150万人とする説まで様々です。犠牲者の多くはセルビア人であり、その他にもユダヤ人、ロマ、反体制派など、様々な人々が犠牲になりました。

戦後、ヤセノヴァツ強制収容所は解体され、しばらくの間更地となっていました。1966年には、犠牲者を追悼するモニュメント「石の花」が建設され、周辺はヤセノヴァツ記念公園として整備されました。1980年代まで、この記念公園は国内有数の観光地として知られていました。

1991年のクロアチア紛争初期には、セルビア人勢力によって、町とボスニア・ヘルツェゴビナを結ぶサヴァ川に架かる橋が破壊され、ヤセノヴァツ記念公園内にあった強制収容所に関する博物館も破壊されました。紛争後、クロアチア政府と欧州委員会の出資により、2005年に新しい橋が架けられました。

ヤセノヴァツは、悲惨な歴史を伝える場所として、そして平和への願いを込めた場所として、現在も多くの人々が訪れています。この地の歴史を深く理解し、二度とこのような悲劇が繰り返されないよう、私たちは過去から学び続けなければなりません。

もう一度検索