ヤネス・ヤンシャ

ヤネス・ヤンシャ (Janez Janša)

ヤネス・ヤンシャ（1958年9月17日生まれ）は、スロベニアの著名な政治家であり、同国の首相を3期務めました。彼はスロベニア民主党の党首として、スロベニアの政治に大きな影響を与えてきました。

ユーゴスラビア時代

ヤンシャはリュブリャナ大学で防衛学を修了後、スロベニア社会主義共和国の防衛局で研修員となりました。若くしてスロベニア共産主義者同盟に入り、青年部門を指導する立場に就きます。しかし、1983年にユーゴスラビア人民軍を批判する論文を発表したことから、当局の監視下に置かれるようになりました。

1980年代後半、スロベニアで民主化運動が活発になると、ヤンシャは独立系雑誌でユーゴスラビア人民軍への批判を続けました。その結果、パスポートを没収され、職を求めても採用されず、論文の出版も妨げられるなど、苦難の時代を送りました。しかし、コンピュータプログラミングや登山ガイドで生計を立てながら、言論の自由を求めて活動を続けました。

1988年、ヤンシャは軍事機密漏洩の疑いで逮捕され、軍事法廷で有罪判決を受けました。この事件はJBTZ裁判と呼ばれ、スロベニアの民主化運動「スロベニアの春」のきっかけとなりました。ヤンシャは収監後、大衆の抗議を受けて釈放され、政治週刊誌の編集長として活動を再開しました。

スロベニアの政治家として

1989年、ヤンシャは反体制派政党であるスロベニア民主連合の創設に携わり、副党首に就任しました。1990年には、スロベニア初の自由選挙で国防相に任命され、スロベニア独立戦争を指揮しました。その後、社会民主党（のちの民主党）に入党し、党首として数々の選挙を戦い抜きました。

2004年、ヤンシャは民主党を率いて勝利し、首相に就任しました。彼は経済改革やEU議長国としての役割を果たすなど、多くの実績を残しました。しかし、2011年の総選挙で敗北し、2012年に再び首相に就任するも、汚職疑惑により2013年に辞任しました。

2020年、ヤンシャは3度目の首相に就任しましたが、2022年の下院議会選挙で敗北し、退任しました。彼の政治姿勢は、報道の自由を脅かしたとして批判も集めました。

私生活

ヤンシャは結婚しており、2人の子供がいます。しかし、過去には不倫が報じられたこともあります。

ヤネス・ヤンシャは、スロベニアの現代政治において、重要な役割を果たしてきた人物です。彼の政治的な遺産は、今後も議論の対象となるでしょう。

参考文献

Premiki （「戦略」の意。1992年。のちに "The Making of the Slovenian State" という題で英語に翻訳されている）
Okopi （「バリケード」の意。1994年）

関連項目

十日間戦争

外部リンク

Janez Janša (@JJansaSDS) - X（旧Twitter）
* スロベニア共和国首相府 （スロベニア語、英語版あり）

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