ヤマハ・テネレ700

ヤマハTénéré700：世界中を旅するアドベンチャーバイク

2019年、ヤマハ発動機は新たなアドベンチャーバイク、Ténéré700を発表しました。パリ・ダカールラリーの舞台、テネレ砂漠にちなんで名付けられたこのマシンは、その名にふさわしい高いオフロード性能と、長距離ツーリングにも対応できる快適性を両立させています。

開発コンセプト：世界中どこへでも

Ténéré700の開発コンセプトはシンプルです。「世界中どこへでも行けるバイク」。このコンセプトに基づき、開発チームは徹底的にオフロード性能を追求しました。一般的な日本のライダーのオフロード走行比率が「オンロード：オフロード＝9：1」であるのに対し、Ténéré700ではあえて「1：9」という比率を目標に開発を進めたのです。これは、ライダーが本当に「どこへでも行ける」と感じるバイクを作るためには、妥協のないオフロード性能が不可欠だと考えたためです。高速道路やワインディングロードでの走行性能も両立することで、オフロードへのアクセスも快適にこなせる、欲張りな一台に仕上がっています。

パワートレイン：トルクフルな並列2気筒エンジン

Ténéré700は、MT-07と共通の688cc並列2気筒エンジンを搭載。トルクフルな特性は、オフロードでの走破性を高めると同時に、長距離ツーリングでも快適な走行を可能にしています。吸排気系やFIセッティングはTénéré700用に最適化されており、MT-07とは異なる出力特性を実現しています。

足回り：高い走破性を実現するサスペンション

高いオフロード性能を支えるのが、優れたサスペンションです。フロントにはφ43mmの倒立式フロントフォーク、リアにはリンク式モノクロスサスペンションを採用。フロントサスペンションは210mm、リアサスペンションは200mmというロングストロークにより、悪路での走破性を高めています。さらに、フロントフォークは伸び・圧減衰調整機能に加え、圧抜きスクリューも装備。リアサスペンションは、プリロード、圧減衰、伸減衰の全てを調整可能です。

制動システム：安心のABS

ブレーキシステムには、前後輪独立してオン・オフを切り替え可能なABSを標準装備。リアブレーキのみをオフにすることも可能です。フロントにはブレンボ製2ポッドキャリパーとφ282mmのウェーブディスク、リアにはブレンボ製1ポッドキャリパーとφ245mmのディスクを採用。高い制動力を確保しています。

その他の装備

・前21インチ、後18インチ径のスポークホイールとピレリ製スコーピオンラリーSTRタイヤの組み合わせ
・視認性の高い4灯LEDプロジェクターヘッドライト（上下左右独立調整可能）
・多機能液晶メーター（瞬間燃費、平均燃費表示など）
・GPS装着ステー

モデルバリエーション

Ténéré700にはいくつかのモデルバリエーションが存在します。

Ténéré700 ABS: 基本モデル。
Ténéré700 ABS Low: 日本市場向けに用意されたローシートモデル。シート高を約20mm低くすることで、より多くのライダーが扱いやすくなりました。

モデルイヤーによる変更点としては、排出ガス規制への対応や、細かな部品の変更などが挙げられますが、基本的な設計は変わっていません。

まとめ

Ténéré700は、その高いオフロード性能とツーリング性能を両立させた、まさに「世界中どこへでも行ける」バイクです。本格的なオフロード走行から、日常の足としての使用まで、幅広いシチュエーションで高い満足感を与えてくれる一台と言えるでしょう。長距離ツーリングを計画しているライダーや、本格的なオフロードに挑戦したいライダーにとって、最適な選択肢となるでしょう。

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