ヤマハ・MT-03

ヤマハMT-03：鼓動感と軽快さを両立したロードスターモタード

ヤマハ発動機の子会社、ヤマハモーターイタリアがヨーロッパ市場をターゲットに製造していたMT-03は、個性的なロードスターモタードタイプのオートバイとして知られています。2005年の発表以来、その独特の走りとデザインで多くのライダーを魅了しました。

MT-01の系譜を受け継ぐ、大型単気筒エンジンの鼓動感

MT-03の開発コンセプトは、大型単気筒エンジンの力強い鼓動感をロードスターモタードというスタイルで楽しむことにありました。その源流は、ヤマハの象徴的なモデルであるMT-01にまで遡ります。MT-01の「鼓動」を継承しつつ、より軽快でスポーティな走りを目指して設計されました。

高性能エンジン：スポーツバイク並みの技術を投入

心臓部となるエンジンは、XT660R/Xに搭載されている水冷4ストロークSOHC単気筒4バルブFIエンジンをベースに、大幅な改良が加えられています。単気筒エンジンでありながら、クルーザーモデルとは異なる軽快な走りを両立するために、セラミックメッキシリンダーや鍛造ピストンといった、スポーツバイクにも採用される高度な技術が惜しみなく投入されました。

吸排気系やクランクシャフトといった主要部品の約90％が新設計され、ネイキッドバイクとしては異例の最高出力を6,000rpmで発生する、パワフルかつ個性的なエンジンに仕上がっています。⌀40 mmのダウンドラフト型インジェクションシステムの採用も、その性能の高さを示す重要なポイントです。

軽快なハンドリングとスポーティなデザイン

MT-03は、単気筒エンジンによる力強いトルクと、軽量な車体による俊敏なハンドリングを両立させています。スポーティなデザインも魅力の一つで、街乗りからワインディングロードまで、あらゆるシーンで高いパフォーマンスを発揮します。

ヤマハMTシリーズとの関連性

MT-03は、ヤマハが展開するMTシリーズの一員です。MTシリーズは、個性的なデザインと高い走行性能を両立させたモデル群で、MT-03もその系譜をしっかりと受け継いでいます。MTシリーズには、様々な排気量とエンジンタイプを持つモデルがラインナップされており、ライダーのニーズに合わせて最適な一台を選ぶことができます。以下に、代表的なモデルを挙げます。

MT-125: 水冷OHC単気筒124ccエンジン搭載
MT-15: 水冷OHC単気筒155ccエンジン搭載
MT-01: 空冷OHV V型2気筒1670ccエンジン搭載
MT-07: 水冷DOHC並列2気筒689ccエンジン搭載
MT-09: 水冷DOHC直列3気筒846ccエンジン搭載
MT-10: 水冷DOHC直列4気筒997ccエンジン搭載
MT-25: 水冷DOHC直列2気筒249ccエンジン搭載
MT-03: 水冷DOHC直列2気筒320ccエンジン搭載
* XV1700ロードスター: MT-01と同系列のエンジンを搭載するクルーザーモデル

MT-03は、生産終了しているものの、その個性的なエンジンとスポーティな走りは、多くのライダーの記憶に刻まれています。MTシリーズの歴史において、重要な役割を果たしたモデルと言えるでしょう。

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