ヤマハ・PACIFICA

ヤマハ PACIFICA：多様なニーズに応えるエレクトリックギター

ヤマハ PACIFICA（パシフィカ）は、ヤマハが製造・販売するエレクトリックギターのシリーズです。1989年のシリーズ立ち上げ以来、「伝統的なロックギターの優れた要素を、最新のメソッドで再構築することで、次世代のオリジナルを作り上げる」というコンセプトのもと、多様なモデルを展開してきました。

シリーズの特徴

PACIFICAシリーズは、その汎用性の高さが大きな特徴です。エントリーモデルから上位モデルまで幅広いラインナップを揃え、様々な音楽ジャンルに対応できます。また、豊富なカラーバリエーションや、コストパフォーマンスの高さも魅力です。

モデル命名規則

PACIFICAのモデル名は、PACIFICAに続く3桁または4桁の数字と、付加されるアルファベットで構成されています。これらの記号は、モデルの階級、搭載するピックアップの構成、特別な仕様などを表しています。

1桁目（4桁モデルは前2桁）： モデルの階級。数字が大きいほど上位モデル。
2桁目： 搭載するハムバッキングPUの個数。
3桁目： 搭載するシングルコイルPUの個数。

アルファベットは以下のような意味を持ちます。

C： スペシャルカラー
D： ピックアップのダイレクト（ボディ直付け）マウント
FM： フレイムメイプルトップ（ラミネートボディ）
H： キルテッドメイプル風グラビア塗装 (2011年以降はHard Tail（固定式ブリッジ）を示す)
J： 日本仕様
L： レフトハンドモデル
M： メイプルフィンガーボード
QM： キルテッドメイプルトップ（ラミネートボディ）
R： リバースヘッド（海外仕様のみ）
S： シングルカッタウェイボディ、テレキャススタイルブリッジプレート
SF： スペシャルフィニッシュ
V： ヴィンテージスタイル
W： ウィルキンソン社製トレモロユニット搭載
X： 限定モデル

主な現行モデル

PACIFICA112シリーズ： 1995年以来、改良を重ねて製造されているエントリーモデル。豊富なカラーバリエーションと、コイルタップ機能などが特徴です。
PACIFICA120H： 2ハムバッカー構成で、コイルタップも可能なモデル。ハードテイルブリッジを搭載しています。
PACIFICA212Vシリーズ： 112Vをベースに、メイプル材をボディトップにラミネートした上級仕様。
PACIFICA611HFM： 固定式ブリッジ、Seymour Duncan製ピックアップを搭載したモデル。
PACIFICA611VFM： Wilkinson製トレモロブリッジを搭載したモデル。
PACIFICA612VⅡFM/FMX/X： S-S-Hピックアップ配列で、Seymour Duncan製ピックアップを搭載したモデル。カラーバリエーションやピックガードの色が異なります。
PACIFICA311H： 611HFMの廉価版で、ヤマハ内製ピックアップを搭載。

過去のモデル

PACIFICAシリーズには、数多くの過去のモデルが存在します。アーティストモデルや、日本国内限定モデルなど、様々なモデルが存在しました。

PACIFICAアーティストモデル： コーネル・デュプリーモデルなど、著名なアーティストとのコラボレーションモデル。
PACIFICA国内モデル： 921、912Jなど、日本国内向けに開発されたモデル。Warmoth製ネックやDiMarzio製ピックアップを採用したモデルも存在しました。

使用アーティスト

PACIFICAは、国内外の多くのアーティストに愛用されています。

桑田佳祐（サザンオールスターズ）
松本孝弘（B'z）
HARUNA（SCANDAL）
高中正義
葛城哲哉
木根尚登（TM NETWORK|TM_NETWORK）

など、様々なジャンルのアーティストがPACIFICAを使用しています。

登場作品

* ぼっち・ざ・ろっく!： 主人公の後藤ひとりが、PACIFICA 611VFMモデルをメインギターとして使用しています。アニメ版では、ボディカラーやパーツの仕様が変更された作中仕様となっています。

PACIFICAは、多様なニーズに応えることができる、非常に優れたエレクトリックギターです。初心者からプロまで、幅広いプレイヤーにおすすめできるシリーズです。

もう一度検索