ヤマハ・YZ

ヤマハYZシリーズ：モトクロスの歴史を刻む名車たち

ヤマハ発動機が製造販売するYZシリーズは、長年に渡りモトクロス競技において高い人気を誇る2ストロークエンジンのオートバイです。50ccから500ccまで幅広い排気量をラインナップし、数多くのライダーを魅了してきました。本記事では、YZシリーズの歴史と各モデルの特徴を詳細に解説します。

MX3クラス（旧500ccクラス）

- YZ490 (1981-1988): 500ccクラスをターゲットにしたYZ490は、空冷エンジンを採用。世界選手権やAMAモトクロス参戦を目指したモデルでしたが、未舗装路での高度な操作技術が必要とされたこと、販売台数の見込みが低かったことから、エンジンは最終モデルまで空冷のまま、大規模な改良は行われませんでした。YZ250とは部品の共通性も低く、前後サスペンションとフロントブレーキはYZ250からの流用でしたが、リアブレーキはドラム式でした。1990年にはWR250Zの車体にエンジンが換装され、WR500として復活を遂げました。日本国内では500ccクラスの公式戦が開催されなかったため、正規販売はされていませんでした。
- YZ465 (1979-1980): 短期間の販売でしたが、500ccクラスをターゲットにしたモデルです。販売期間の短さ、世界的な販売台数の低迷から、グラフィック変更以外の大きな改良は施されませんでした。日本国内での正規販売はありませんでした。
- YZ400 (1976-1978): 500ccクラスをターゲットにしたモデル。日本国内では500ccクラスの公式戦が開催されなかったため、正規販売はされていませんでした。
- YZ360 (1973-1975): YZ250をベースに排気量を拡大したモデルで、500ccクラスでの競技参戦を目的としていました。後年にはボアアップキットが販売されましたが、完成車としてのリリースはありませんでした。日本国内での正規販売はありませんでした。

MX1クラス（旧250ccクラス）

- YZ250 (1973-現在): モトクロスバイクの歴史に多大な影響を与えたモデル。世界初のモノショックリアサスペンション「モノクロス」や、2ストローク用排気デバイスYPVSなどを採用。毎年モデルチェンジを重ね、環境規制への対応が課題となる中で、1998年から販売されたYZ450Fに後継の座を譲る形となりましたが、現在も販売が継続されています。

MX2クラス（旧125ccクラス）

- YZ125 (1973-現在): YZ250と同様に、長きに渡り販売されているモデルです。環境規制への対応から、2000年から販売されたYZ250Fに後継の座を譲りましたが、現在も販売されています。

85ccクラス（旧80ccクラス）

- YZ85/YZ85LW (2001-現在): FIM車両規則の変更（80ccから85ccへ）に対応し、YZ80の後継モデルとして登場。YZ85LWは、フロントホイールの大型化（19インチ）とそれに伴う改良が施されたモデルです。
- YZ80/YZ80LW (1973-2001): 子供向けのモトクロスバイクとして人気を博しました。

エンデューロモデル

- YZ250X (2015-現在): エンデューロ競技向けにチューニングされたYZ250。圧縮比の変更、チャンバー形状の変更、サスペンションセッティング変更、18インチ後輪、サイドスタンド標準装備などが特徴です。
- YZ125X (2016-現在): エンデューロ競技向けにチューニングされたYZ125。YZ250Xと同様の変更が加えられています。

その他モデル

- YZ175 (1976): YZ125の車体にIT175のエンジンを搭載したモデル。競技用というよりはレジャーバイク的な性格を持っていました。日本国内では正規販売されていませんでした。
- YZ100 (1976-1981): 子供向けモデル。日本国内では正規販売されていませんでした。
- YZ50 (1979-1983): 子供向けモデル。本格的な競技車両というよりは、レジャーバイク的な位置づけでした。日本国内では正規販売されていませんでした。

まとめ

ヤマハYZシリーズは、長年に渡り進化を続け、モトクロスシーンを牽引してきたモデルです。各モデルの特徴を理解することで、より深くYZシリーズの魅力を味わえるでしょう。今後も、ヤマハの技術革新によって、新たなYZモデルが登場することが期待されます。

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