ヤマハ・YZF-R3

YZF-R3：毎日乗れるスーパースポーツの進化

ヤマハ発動機が製造するYZF-R3は、扱いやすさと高性能を両立させた320ccのスーパースポーツバイクです。インドネシアの現地法人PT. Yamaha Indonesia Motor Manufacturing（YIMM）で生産され、世界各国で販売されています。その魅力は、パワフルなエンジン、軽量でバランスのとれた車体、そしてRシリーズ共通のスポーティなデザインにあります。

歴史：グローバルモデルとしての進化

YZF-R3は、2014年10月に北米で発表されました。開発コンセプトは「毎日乗れるスーパーバイク」。高性能な2気筒エンジン、軽量ボディ、そしてYZF-Rシリーズのデザインを継承したスタイリングが特徴です。日本市場では、先に発売された250ccのYZF-R25の上位モデルとして登場しましたが、実際には世界市場をターゲットとしたグローバルモデルとしての位置付けでした。そのため、販売地域によってはR25ではなくR3のみが販売されています。特に250cc排気量規制のない北欧諸国では、R3が主力モデルとなっています。

2019年には大幅なアップデートが行われ、コンセプトは「Ride the “R” Anytime」に変更。Rシリーズのスポーティさを日常に繋げるモデルとして、更なる進化を遂げました。R25との比較では、排気量が71ccアップし、馬力とトルクが増加。燃費も向上している一方で、320ccの排気量により車検が必要となる点に注意が必要です。

モデル一覧：各モデルの特徴

RH07J (2015年-2017年)、B02型（2015年-2017年）

日本仕様はYZF-R3 ABSとして2015年4月20日に発売されました。ABS仕様のみの設定で、R25とは異なりABS非搭載モデルはありませんでした。デザインはR25と共通ですが、ヒールガードの穴の有無で識別できます（R3は穴なし、R25は穴あり）。ヘッドライトはハロゲンバルブ、テールライトはLEDを採用していました。エンジンはR25をベースにボアアップし、排気量を320ccに拡大。高回転の伸び感はR25に劣るものの、扱いやすさが向上していました。

RH13J (2018年-2021年)、BR5型（2018年）、B7P型（2019年-2021年）

2018年モデルは平成28年排出ガス規制に対応するため、エンジンや排気系にアップデートが行われました。燃費性能の向上と車両重量の増加が見られました。

2019年モデルはデザインと機能が大幅に刷新されました。YZR-M1やYZF-R1を彷彿とさせるクロスレイヤード構造の新型カウル、LEDヘッドライト、フル液晶ディスプレイメーターを採用。サスペンションはφ41mm正立式からφ37mm倒立式に変更され、ハンドリング性能が向上しました。タイヤもバイアスからラジアルに変更されています。

RH21J (2022年-)

2022年には、WGP参戦60周年を記念した限定モデル「YZF-R3 ABS WGP 60th Anniversary」が発売されました。LEDウィンカーの採用、軽量化（1kg減）、エンジン出力の向上、そしてオプションでクイックシフターが用意されるなど、更なる進化を遂げています。

まとめ：進化し続けるスーパースポーツ

YZF-R3は、発売以来、継続的な進化を遂げてきました。Rシリーズのデザインと性能を受け継ぎながら、日常使いにも適した扱いやすさを両立。様々なアップデートを経て、より洗練されたスーパースポーツバイクへと進化し続けています。その魅力は、多くのライダーを魅了し続けています。

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