ヤマハ銀座ビル

ヤマハ銀座ビル

ヤマハ銀座ビル（ヤマハぎんざビル）は、東京都中央区銀座七丁目に位置する特徴的な建物であり、中央通り沿いに本館と、路地を挟んだ別館から構成されています。本館には多彩な機能が集まり、楽器店や音楽教室、さらに333名収容可能なヤマハホールが設置されています。

歴史的背景

ヤマハ銀座ビルの初代建物は1951年12月にチェコ出身の建築家アントニン・レーモンドの設計により完成しました。この初代ビルには日本楽器製造（現在のヤマハ）の東京支店やヤマハホールが入っていましたが、時間の経過と共に老朽化が進んでいきました。加えて、1998年には建物の高さ制限が緩和され、より大型の建物の建設が可能となったことが、建て替えを決定づけた要因となります。2006年6月に建て替えが正式に決まると、旧店舗は2007年1月に営業を終了し、その後銀座一丁目での仮店舗営業を経て、新ビルが2010年にオープンしました。

建築設計

新しいヤマハ銀座ビルの建築には、カーテンウォールが採用され、斜角格子状のガラス装飾が特徴です。これはさまざまな色合いのガラスを用いることで、一見しただけでアートのような印象を与えます。ビルの外装には、950mmの正方形のガラス1435枚が使用されており、これには複数の異なる素材が組み合わされています。高透過ガラスを使用することで、透明感を高めており、金箔を挟み込んだ合わせガラスは、光が美しく反射し、看板にもなり得る装飾を生み出しています。

内部には、楽器をイメージした木質系素材と曲面デザインが施され、訪れる人々が落ち着いた気持ちになれる空間が広がります。具体的には、各階に吹き抜けが設けられ、明るさを確保しつつ、ホールやスタジオは防振ゴムで接続されるなど、音楽を楽しむための工夫がなされています。さらに、地下鉄銀座線の影響を考慮し、建物はできる限り地下鉄側から離して配置されています。その建設費用は約80億円だったとされています。

2012年には日本建設業連合会の第53回BCS賞を受賞し、その独創的なデザインと機能性が高く評価されました。

フロア構成

ヤマハ銀座ビルのフロア構成は、地下1階から地上5階までが「ヤマハ銀座店」として利用されています。このエリアでは、楽器や楽譜、音楽ソフトを扱っており、特にアコースティック楽器の販売に力を入れています。1階には情報発信スペース「ポータル」があり、様々なプロモーションを行っています。また、6階には約100席を持つ「ヤマハ銀座サロン」があり、発表会などの催しが可能です。

7階から9階には座席333席を有する「ヤマハホール」があり、ここではアコースティック楽器のコンサートやイベントが行われます。さらに、10階から12階には音楽教室「ヤマハミュージックアベニュー銀座」、地下2階にはライブや収録ができる「ヤマハ銀座スタジオ」が設けられています。別館には、楽器のメンテナンスやアーティスト支援を行う「ヤマハ アーティストサービス東京」や「ヤマハ アトリエ東京」、そして各種事務所が入っています。

ヤマハ銀座ビルは、その歴史や機能、デザインにより、音楽の交流の場としてだけでなく、多くの人々に愛され続けるスポットとなっています。

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