ヤロスラフ2世 (キエフ大公)

ヤロスラフ2世イジャスラヴィチは、12世紀のルーシに生きた公であり、その生涯は権力闘争と領土の変遷に彩られています。彼はトゥーロフ公、ノヴゴロド公、ルトスク公を歴任し、最終的にはキエフ大公の座を二度手に入れています。

ヤロスラフ2世は、イジャスラフ2世の次男として生まれ、兄にムスチスラフ2世がいます。彼の政治的なキャリアは、1146年のトゥーロフ公への就任から始まりました。その後、1148年から1153年までノヴゴロド公を務め、1157年からはルトスク公として長きにわたりこの地を統治しました。

ヤロスラフ2世の生涯における大きな転換点は、アンドレイ・ボゴリュブスキーの暗殺後に起こりました。この事件を機に、ヤロスラフの一族は彼をキエフ大公の座に就けようと画策します。しかし、キエフ大公の座を巡っては、一族の長老であるスヴャトスラフ3世との間で激しい争いが繰り広げられました。2年以上にわたる戦いの末、最終的にスヴャトスラフ3世が勝利を収め、ヤロスラフ2世は一時的にキエフ大公の座を失うことになります。

しかし、ヤロスラフ2世の野望は潰えることなく、1174年から1175年、そして1180年の二度、キエフ大公の座に返り咲いています。彼の統治は決して安穏としたものではなく、常に周囲の勢力との駆け引きや内部の反乱との戦いに明け暮れました。

ヤロスラフ2世は、ボヘミア公ヴラディスラフ2世とその妻ゲルトルート（オーストリア辺境伯レオポルト3世の娘）の娘であるリクサと結婚しました。二人の間には、以下の子供たちがいます。

イングヴァリ：ルーツク公、ヴォルィーニ公、キエフ大公を歴任
フセヴォロド：ドロゴブージ公
イジャスラフ：シュムスク公
ムスチスラフ：ペレソプニツァ公、ルーツク公

ヤロスラフ2世イジャスラヴィチは、1180年にその生涯を終えました。彼の死後も、彼の子孫たちはルーシ各地で勢力を保ち、その血脈は長くルーシの歴史に刻まれることになります。ヤロスラフ2世の生涯は、当時のルーシの政治情勢の複雑さと、権力を巡る激しい争いを如実に物語っています。

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