ヤング・タイガー

ヤング・タイガー：幻の青春映画、ヘルムート・バーガー初主演作

1967年、イタリアで公開された青春映画『ヤング・タイガー』(原題:I giovani tigri)は、日本未公開ながら、現在では幻の作品として一部の映画ファンから注目を集めています。この映画で注目すべき点は、何と言ってもヘルムート・バーガーの映画初主演作であるということです。当時まだ無名だったヘルムート・バーガーを始め、若手俳優たちが勢ぞろいしたフレッシュな作品となっています。

映画の内容は、まさにタイトル通りの、奔放で無軌道な5人の大学生の姿を描いた青春コメディです。ヘルムート・バーガーは、女の子、車、ダンスパーティーが大好きな青年を軽妙に演じています。軽快なテンポと、ピッチオーニによるお洒落なサウンドが魅力で、ヨーロッパでは公開当時、一定の成功を収めたようです。しかし、ヘルムート・バーガー自身は後年、この作品について「とにかくバカバカしい映画だった」とコメントしており、自身の代表作としては捉えていないようです。

キャストには、ヘルムート・バーガーの他に、マルティーヌ・マル、ルカ・デ・フィリッポ、そして端役ながらレイモンド・ラブロックといった面々が名を連ねています。しかし、主要キャストの中で、後にスターダムを駆け上がったのはヘルムート・バーガーただ一人でした。この作品が、彼の後の輝かしいキャリアの出発点となったことは間違いないでしょう。

長らく日本未公開だった『ヤング・タイガー』ですが、2010年1月27日には、サウンドトラックが『若き虎たち』のタイトルで日本でも発売されました。66分という比較的短い収録時間ですが、映画の雰囲気を感じ取れる貴重な音源となっています。このサントラの発売によって、日本でもより多くのファンがこの幻の青春映画を知る機会を得たと言えるでしょう。

現在では、インターネットを通じて、IMDbやオールムービーといった海外の映画データベースサイトで、この映画に関する情報を見つけることができます。しかし、日本国内での入手は困難であり、その意味でも『ヤング・タイガー』は、稀少で貴重な作品と言えるのではないでしょうか。

本作は、単なるアイドル映画の枠を超えた、若者たちのエネルギーと自由奔放さを描いた、時代を反映した作品と言えるでしょう。ヘルムート・バーガーの初期作品に興味のある方、そして、忘れられた青春映画を掘り起こしたいという映画ファンにとって、この『ヤング・タイガー』は、必見、いや、必聴の作品と言えるかもしれません。60年代イタリア映画の雰囲気を感じたい方にもおすすめです。 その軽妙なタッチと、今では入手困難なレア作品という点で、コレクターズアイテムとしても価値があるでしょう。

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