ヤング集合!!

『ヤング集合!!』

『ヤング集合!!』は、日本のテレビ音楽史に足跡を残す音楽番組、NHK総合テレビ『ステージ101』のレギュラーコーラスグループ、ヤング101によって制作され、1973年に「NHKステージ101」名義で発表されたアルバムです。この作品は、番組で培われた彼らの音楽性と、当時の日本の音楽シーンを反映する一枚として位置づけられます。

アルバムの位置づけ

本作は、ヤング101がこれまでに発表したオリジナル・アルバムの中で、数えて17作目にあたる作品です。また、レコード会社CBSソニーからリリースされた一連のアルバムの中では、6作目にあたり、同社から発表された最後のアルバムとなりました。これは、ヤング101の活動の一つの節目を示す作品であるとも言えます。

制作体制

アルバムの制作には、『ステージ101』において3代目の音楽監督を務めていた高名な作曲家、宮川泰氏が深く関わっています。宮川氏は、本作で音楽監修、楽曲の編曲全般、そしてヤング101メンバーへの歌唱指導を担当しました。氏の緻密かつダイナミックな音楽性は、アルバム全体に色濃く反映されており、ヤング101のパフォーマンスを最大限に引き出す上で重要な役割を果たしました。

内容について

アルバム『ヤング集合!!』には、当時のヤング101のレパートリーから選ばれた複数の楽曲が収録されています。具体的な収録曲リストはアルバム本編で確認できますが、特筆すべき点として、収録曲の作詞クレジット表記が挙げられます。原曲が外国語曲であるカバーソングの場合、日本語詞を担当した作者の名前が括弧内に明記されており、これは当時の音楽業界における慣習を示す一例でもあります。

後年の展開

発表から長い年月を経た後、『ヤング集合!!』の音源は再びファンの手に届く機会を得ました。2012年にヤング101名義で発売された5枚組のCDボックス・セット『ギフト・ボックス』には、彼らがCBSソニー時代に発表した音源が多数収録されており、本作の全楽曲もこのボックスのディスク5に収められました。これにより、以前は入手が難しかった本作の音源が、まとめて聴けるようになりました。

現代の展開

さらに時代は進み、音楽鑑賞のスタイルが変化する中で、ヤング101の音源へのアクセスも容易になりました。2024年6月には、ヤング101がCBSソニーからリリースした全6作のオリジナル・アルバムが、主要な音楽サブスクリプションサービスにて一斉に配信開始されました。『ヤング集合!!』もその対象となり、現代のリスナーが手軽に彼らの音楽に触れる機会が提供されています。これにより、往年の名曲たちが新たな世代に届けられる可能性が広がっています。

意義

『ヤング集合!!』は、単なる一枚のアルバムに留まらず、ヤング101というグループの歴史における一つの区切りであり、『ステージ101』という画期的な番組が残した音楽遺産の一部を現代に伝える媒体でもあります。宮川泰氏の指揮のもと、若き才能が集結して作り上げられた本作は、当時の日本の音楽シーンの一側面を映し出しつつ、現在でも多くの音楽ファンに聴かれる価値を持つ作品と言えるでしょう。

参考文献

風間嵐、『ステージ101について』、2021年、CD『ステージ101 GO! / ヤング101』（CSレコード DQCL 3611-15）
加納糾、『「ステージ101 GO!」の企画に関して』、2021年、CD『ステージ101 GO! / ヤング101』（CSレコード DQCL 3611-15）
土龍団＋大池マリ、『番組概要』、2001年、CD『ステージ101ベスト』（Ultra-vibe CDSOL-1043/44）
濱田高志、【『ステージ101』回想】、2003年、CD『ステージ101 / ステージ101』（Ultra-vibe CDSOL-1077）

もう一度検索