ヤンドゥサウルス

ヤンドゥサウルス (Yandusaurus)

ヤンドゥサウルスは約1億6900万年前から1億6300万年前の中期ジュラ紀の時代に生息していた草食性の鳥脚類恐竜です。主に中国の四川省で発見され、その名は古代の地名「塩都」の名称に由来しています。

発見と命名の歴史

この恐竜の発見は1973年にさかのぼります。当時、自貢市近郊の金子凼で行われていた建設作業中に、作業員が誤って恐竜の骨格を損傷してしまったのです。この事故を受けて、四川省自貢市の自貢市塩業歴史博物館の研究チームが損傷した化石を回収しました。

最初、この恐竜は「Yubasaurus」または「Honghesaurus」の名称で呼ばれていましたが、1979年に何信祿によってタイプ種「Yandusaurus hongheensis」として正式に命名されました。この名前は「塩都」の古名、また発見場所である自貢市にちなんでいます。さらに、種の小名「hongheensis」は近くの鴻鶴川に由来しています。

ホロタイプ標本とされるGCC V20501は、下部沙溪廟層から発掘された部分的な骨格であり、頭骨、脊椎、肩帯、前肢、後肢が含まれていますが、多くは損傷や断片的な状態です。特に下顎や骨盤、尾の先端部分は機械的な損傷を受けて完全に失われています。

1983年には何と蔡開基によって、別の種「Yandusaurus multidens」が新たに同定されました。この種は比較的完全な2体の骨格が発見されていますが、1992年にはY. multidensがアギリサウルス属に再分類され、さらに1996年にはオスニエリアとして、2005年にはヘクシンルサウルスに分類替えがされました。

ヤンドゥサウルスの特徴

ヤンドゥサウルスは速い二足歩行ができる恐竜で、四肢には各4本の指、前肢には5本の指があります。その曲がった頬骨から、大きな眼を持っていたことが伺えます。また、歯は独特なパターンで、平行して垂直に隆起した形状をしており、一部の中国の研究者はこの形状を仏像の手の指に例えています。特に中ほどの15番目の上顎骨歯が最も大きく、重なり合いながら配置されています。

ヤンドゥサウルスの大きさについての情報は、かつてY. multidensとされていたヘクシンルサウルスの標本から得られています。一般に全長は60cmから160cm、体重は約7kgに達すると考えられています。しかし、Yandusaurus hongheensisはこれらよりも大きなサイズであるとされ、何信祿は全長を3mとし、蔡開基は3.2m、またポールは2010年に全長3.8m、体重140kgと推定しました。

分類とその位置付け

何信祿はヤンドゥサウルスをヒプシロフォドン科に分類しましたが、現在ではこの科自体が側系統群とされており、ヤンドゥサウルスは基盤的な真鳥脚類として位置付けられています。最新の研究によれば、この恐竜は他の恐竜と異なる特性を持ち、その進化的な役割が今後の研究によって明らかにされることでしょう。

このように、ヤンドゥサウルスはその発見の背景や特徴から、ジュラ紀の生態系における重要な存在であり、研究が進むことでさらなる理解が期待されています。

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