ヤン・フェルトンゲン

ヤン・ベルト・リーフェ・フェルトンゲンは、1987年4月24日にベルギーのシント＝ニクラースで生まれたプロサッカー選手です。主にディフェンダーとしてプレーしますが、ミッドフィールダーとしてもその能力を発揮します。現在はRSCアンデルレヒトに所属しており、ベルギー代表の最多出場記録保持者です。

アヤックス時代

フェルトンゲンは、VK Tielrodeやジェルミナル・ベールスホットの下部組織を経て、2003年にオランダの名門AFCアヤックスの下部組織に入団しました。当初はミッドフィルダーとしてプレーしていましたが、後にセンターバックに転向しました。2005-06シーズンには、リザーブチームの試合中に相手キーパーへの返球が偶然ゴールになり、スポーツマンシップに則り相手チームに1点を与えたという珍しいエピソードもあります。

2006年8月にはトップチームデビューを果たし、2007年1月にはRKCヴァールヴァイクにレンタル移籍しました。RKCでは12試合に出場し3得点を挙げましたが、チームの2部降格を阻止することはできませんでした。アヤックス復帰後の2008-09シーズンには、センターバックのレギュラーとして活躍し、リーグ戦で23試合に先発出場しました。2009-10シーズンには、ベルギー代表のチームメイトであるトビー・アルデルヴァイレルトとコンビを組み、チームの守備を安定させました。このシーズン、フェルトンゲンはチームのリーグ14連勝に大きく貢献し、アヤックスでの評価を確固たるものにしました。2011-12シーズンにはオランダ年間最優秀選手賞を受賞するなど、アヤックスの中心選手として活躍を続けました。

トッテナム・ホットスパー時代

2012年、フェルトンゲンはプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーFCに移籍しました。トッテナムではセンターバックのレギュラーとして活躍し、左サイドバックもこなしました。2012-13シーズンには、3月のプレミアリーグ月間最優秀選手に選ばれるなど、チームの中心選手として活躍しました。また、このシーズンには年間ベストイレブンにも選出されました。2015-16シーズンからはチームの副主将を務め、2016年12月には契約を2019年まで延長しました。

2017-18シーズンには2度目のプレミアリーグ年間ベストイレブンに選出され、その実力を改めて証明しました。2018-19シーズンには、UEFAチャンピオンズリーグで1得点1アシストを記録するなど、チームのベスト8進出に貢献しました。しかし、準決勝では試合中に負傷し、チームも敗退しました。2019-20シーズンは出場機会が減少し、2020年7月、8年間在籍したトッテナムを退団しました。

ベンフィカ、アンデルレヒト時代

2020年8月、フェルトンゲンはポルトガルのSLベンフィカに移籍しました。ベンフィカでは主力としてプレーしましたが、2022-23シーズンには出場機会が減少し、2022年9月にクラブを退団しました。同日、フェルトンゲンはRSCアンデルレヒトに移籍し、自身初となる母国リーグでのプレーとなりました。

ベルギー代表

フェルトンゲンは、2007年にベルギー代表デビューを果たしました。2008年には北京オリンピックに出場し、チームの4位入賞に貢献しました。2010 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選では、クラブでもコンビを組んでいたトーマス・フェルメーレンと共にセンターバックとして活躍しました。2014 FIFAワールドカップでは、グループリーグの韓国戦で決勝点を挙げました。2018 FIFAワールドカップでは、ベルギー代表初の100試合出場を達成し、チームの3位入賞に貢献しました。UEFA EURO 2024では、決勝トーナメント1回戦でオウンゴールを記録してチームは敗退しました。その後、代表引退を表明しました。

エピソード

フェルトンゲンは、その実力だけでなく、多くのエピソードでも知られています。RKC時代には、アヤックス戦でゴールを決め、古巣の優勝を阻止する一因となりました。また、アヤックス時代には、優勝セレモニーで不適切な歌を歌い、後に謝罪する事件もありました。2020年には、トッテナム時代の負傷により長期間頭痛や眩暈に悩まされていたことを明かしました。

個人成績

2022-23シーズン終了時点で、クラブでの出場試合数は486試合、得点数は38得点です。ベルギー代表では、153試合に出場し10得点を記録しました。

タイトル

フェルトンゲンは、アヤックスでエールディヴィジを2度、KNVBカップを1度制覇しています。また、個人としては、オランダ年間最優秀選手賞やPFA年間ベストイレブンなど、数々の賞を受賞しています。

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