ヤースナヤ・ポリャーナ

ヤースナヤ・ポリャーナの概要

ヤースナヤ・ポリャーナ（ロシア語: Ясная Поляна）は、レフ・トルストイが生涯を過ごしたロシアの地であり、彼の誕生地、生活の場、そして最期の地でもあります。この場所は、ロシア連邦トゥーラから12km南西に位置し、意味は「明るい林間の空き地」です。1840年にトルストイが亡くなると、彼の子孫によって記念博物館として開設され、今日まで多くの訪問者がこの地を訪れています。

歴史的背景

この地は16世紀末に遡り、エカチェリーナ2世の時代には、高官ニコライ・セルゲーヴィチ・ヴァルコンスキイの所有となっていました。彼は公職から退いた後、この地で静かに過ごし、1821年にその生涯を閉じました。トルストイの父は、ナポレオン戦争から戻った後にこの土地を購入し、妻と共に新たな生活を始めました。この家でトルストイは母を失う悲劇を経験しながらも、親戚や周囲の人々に育てられました。

領地は、正門を通り、白樺並木を経て本宅へ入る形になっていましたが、現在その建物は存在しません。トルストイの父は、庭づくりにも趣を凝らし、イギリス風の庭園を設けました。18歳で領地を相続したトルストイは、当時1,800ヘクタールの土地と三つの村、そして300人の農奴を抱えていました。その後の浪費生活により、相続財産の大半は若いころに使い果たし、最終的には学校設立のために本宅を売却しました。彼はこの地に質素な墓を持っていますが、教会からは破門されていました。

現在の博物館

ヤースナヤ・ポリャーナには、トルストイの蔵書22,000冊を収めた図書室があり、彼が執筆した文学作品『戦争と平和』や『アンナ・カレーニナ』に関連する貴重な品々が展示されています。博物館は作家の屋敷だけでなく、彼が農夫の子供たちのために設立した学校や、トルストイの墓地を含む公園にも広がっています。第二次世界大戦中にはドイツ軍に占拠され、様々な被害を受けましたが、戦後には彼の生前の姿を忠実に復元され、観光地としての魅力を保っています。

アクセス情報

トゥーラからヤースナヤ・ポリャーナへのアクセスは、モスコフスキー駅からトロリーバス5番に乗り、「ペドインスティトゥト」停留所で下車。その後はバス114番、117番、280番などで「ヤースナヤ・ポリャーナ」停留所に向かうことができます。かつては急行列車「ヤースナヤ・ポリャーナ号」がモスクワから直通運行されていましたが、現在はその路線がなく、バスでのアクセスが主流です。

ヤースナヤ・ポリャーナは文学愛好者や歴史に興味がある観光客にとって、魅力的な場所であり続けています。

もう一度検索