ユア・フェイバリット・エネミーズ

Your Favorite Enemies：情熱とDIY精神で世界を魅了するカナダのロックバンド

Your Favorite Enemies（ユア・フェイバリット・エネミーズ）は、アレックス・ヘンリー・フォスター（Vo）、ジェフ・ボーリュー（Gt）、セフ（Gt）、ベン・レムリン（Ba）、ミス・イザベル（Key&Vo）、チャールズ・ムース・アリッシー（Dr）によって2006年に結成されたカナダのロックバンドです。結成以来、メンバーチェンジはなく、一貫して6人で活動を続けています。彼らは、The Clash、The Ramones、The Cure、Noir Désir、Nick Cave and the Bad Seedsなど、多様な音楽からの影響を受け、オルタナティブロックを基軸に、シューゲイザー、ニュープログ、ノイズロックなどの要素を融合させた独自のサウンドを確立しています。DIY精神を大切にし、レコーディングからツアーまで全てを自分たちで計画・実行しています。

バンドの歩み

結成から初期のヨーロッパツアー（2006-2007）

2006年、モントリオール郊外のヴァレンヌで結成されたYour Favorite Enemiesは、コミュニティの価値とDIY精神を基盤に活動を開始しました。初期からSonic Youth、Fugazi、The Cure、Pixies、My Bloody Valentine、Mars Voltaといったバンドからの影響を受け、荒々しくも洗練されたサウンド、内省的な詩、象徴的な歌詞を独自に融合させ、瞬く間に熱狂的なファンを獲得しました。ファンは各国でストリートチームやファンコミュニティを作り、積極的にバンドを宣伝しました。2007年には、自主レーベル「Hopeful Tragedy Records」を設立し、自主制作EP『And If I Was To Die In The Morning… Would I Still Be Sleeping With You』をリリース。このEPは数ヶ月で3万枚を売り上げ、初のヨーロッパヘッドライニングツアーへと繋がりました。

国際的な評価と日本ツアー（2008）

2008年、Your Favorite Enemiesはビルボード誌で「国際的なスターへと駆け上がっていくカナディアン・アクトTop5」に選出されました。同年にはセカンドアルバム『Love Is A Promise Whispering Goodbye』をリリースし、6万枚を売り上げました。また、Simple Planと共に初の日本ツアーを行い、東京、大阪、名古屋でパフォーマンスを披露。このツアーでの演奏が、ゲーム音楽作曲家の石元丈晴の目に留まり、ゲーム『ディシディア ファイナルファンタジー』のテーマソングを含む、サウンドトラック3曲の編曲、作詞、演奏を担当しました。このサウンドトラックは、日本のiTunesチャートで50位を記録しました。

スタジオ設立とライブストリーミング（2009-2010）

2009年には、ドラモンヴィルの旧カトリック教会を買い取り、プロフェッショナル・レコーディングスタジオへと改造しました。スタジオには、ライブストリーミング設備、テレビセット、レーベルオフィス、そして子供たちへの支援や人権保護のための非営利団体まで、多岐にわたる機能を備えました。2010年12月には、独自の生トーク番組「Bla Bla Bla：ライブショー」を開始。バンドの最新情報やライフスタイルを発信しています。

東日本大震災支援と中国ツアー（2011）

2011年3月、東日本大震災が発生すると、Your Favorite Enemiesはすぐに「Hopeプロジェクト」を開始し、世界中からメッセージを集めたポストカードを被災者に送りました。また、被災地を訪問し、日本ツアーを行いました。同年には中国ツアーも行い、エイズ基金（RED）への支援や、長年のアムネスティ・インターナショナルでの活動を通して、「中国で最も物議を醸し出すバンド」と呼ばれることとなりました。

アコースティックプロジェクトとLPレコード（2012-2013）

2012年には、アコースティックプロジェクト『Vague Souvenir』をリリースしました。このアルバムは、カバー曲や詩の朗読を含み、バンドのルーツを深く探求した作品となりました。その後、2013年には、LPレコード『Sacred Kind of Whispers』をリリースし、独自の音楽性をさらに発展させました。

アルバム『Between Illness And Migration』とその後の展開（2013-2016）

2013年、Your Favorite Enemiesはアルバム『Between Illness And Migration』をリリースしました。このアルバムは、日本、イギリス、オーストラリア、カナダと各地域で異なる形でリリースされ、それぞれで高い評価を得ました。カナダでは、リリース日にiTunesチャートで2位を記録し、HMVでは「今週のベストセラーアーティスト」に選ばれました。2015年には、このアルバムでジュノー賞の「ロックアルバム・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされました。2016年には、アルバムの新しい解釈を加えた『Tokyo Sessions』をリリースし、さらに音楽性の幅を広げました。

限定レコードボックスセットと新たな挑戦（2017-）

2017年、Your Favorite Enemiesは初の限定レコードボックスセットとストーリーブック『A Journey Beyond Ourselves』をリリースし、これまでの活動を総括しました。このボックスセットは、DIY精神をさらに追求したもので、ファンへの感謝の思いが込められています。

ディスコグラフィー

アルバム

Love Is a Promise Whispering Goodbye (2008)
Love Is a Promise Whispering Goodbye (Deluxe & Remastered) (2011)
Vague Souvenir (2012)
Sacred Kind Of Whispers (2013)
Between Illness and Migration (日本盤) (2013)
Between Illness And Migration (オーストラリア盤) (2013)
Between Illness And Migration (カナダ盤) (2014)
Between Illness And Migration (ヨーロッパ盤) (2014)
Tokyo Sessions (2016)

EP

And If I Was to Die in the Morning... Would I Still Be Sleeping with You (2007)
Youthful Dreams of an Old Empire (2013)
Entre Marées Et Autres Ressacs (2014)
A Vision Of The Lights We're In (2015)

DVD

Running Through The Rain of Estrangement... Catching Pure Drops of Diamond Bliss (2012)
The Uplifting Sound of an Epiphanic Awakening (2011)

サイドプロジェクト

『Windows in the Sky』 by アレックス・ヘンリー・フォスター (2018)

人権活動

Your Favorite Enemiesは、アムネスティ・インターナショナル、(RED)、Rock N' Rights、War Childなどの人権団体を支援しています。特に、アレックス・フォスターはアムネスティ・インターナショナルのスポークスパーソンとして長年活動しており、人権問題への意識を高める活動を続けています。

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Your Favorite Enemiesは、Duesenberg、D'Addario、Eden Electronics、Homebrew Effects、Mack Amps、Mapex Drums、Orange、Boss、Remo S. Walker Electric Guitars、Sabian、Sennheiser、Soul Power Instruments、Taylor Guitars、TC Electronic、Tech 21、Vater Percussion、Voxなど、多くの楽器メーカーからの支援を受けています。

Your Favorite Enemiesは、音楽的な革新性、社会的な意識、そしてDIY精神を兼ね備えた、非常に魅力的なバンドです。彼らの活動は、音楽ファンだけでなく、社会問題に関心のある人々の心にも響くでしょう。

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