ユナイテッド・アーティスツ・レコード

ユナイテッド・アーティスツ・レコードは、映画会社ユナイテッド・アーティスツが1957年に設立したアメリカのレコードレーベルです。当初は映画サウンドトラックの配給を目的としていましたが、後にポピュラー音楽の分野にも進出しました。

1963年には、傘下にアスコット・レーベルを設立し、イギリスをはじめとする海外アーティストの作品を扱うようになりました。マンフレッド・マンなどのアーティストをリリースし、国際的な音楽シーンへの足がかりを築きました。このアスコット・レーベルの設立は、ユナイテッド・アーティスツ・レコードが単なる映画音楽レーベルから、幅広い音楽ジャンルを扱う総合レーベルへと発展する上で重要な転換点となりました。

1969年には、リバティ・レコードを買収しました。この買収により、リバティ・レコードと契約していたニッティー・グリッティー・ダート・バンドやザ・ベンチャーズといった人気アーティストがユナイテッド・アーティスツ・レコードの所属となりました。この頃にはアスコット・レーベルは休止し、ユナイテッド・アーティスツの名称で国内外のポップス配給に力を入れるようになります。

1970年代には、カントリーミュージック界の大御所ケニー・ロジャースを擁し、数々のヒット曲を世に送り出しました。また、イギリスのジェット・レコード（エレクトリック・ライト・オーケストラやストラングラーズなどが所属）の米国配給権を獲得し、同レーベルのアーティストの作品をアメリカ市場に展開するなど、その影響力をさらに拡大させました。

ユナイテッド・アーティスツ・レコードは、1969年にリバティ・レコード（傘下にインペリアル・レコードを持つ）を合併しています。リバティ・レコードの買収は、ユナイテッド・アーティスツ・レコードの規模を拡大し、多岐にわたる音楽ジャンルを扱う上で大きな役割を果たしました。しかし、1979年には、イギリスのEMIに買収されることになります。

現在、ユナイテッド・アーティスツ・レコードの音源はキャピトル・レコードが保有しています。設立から買収、そして現在に至るまで、ユナイテッド・アーティスツ・レコードはアメリカの音楽史において重要な役割を果たしました。映画音楽から始まり、ポピュラー音楽、カントリーミュージック、ロックなど幅広いジャンルの音楽を世に送り出し、数々のアーティストのキャリアを支えたその歴史は、音楽業界に大きな足跡を残しています。また、アスコット・レーベルの設立やリバティ・レコードの買収など、レーベルの拡大戦略は、当時の音楽業界における競争や変化を物語るものでもあります。そして、現在ではキャピトル・レコードがその音源を管理しており、過去の偉大な作品群が未来へと受け継がれています。

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