ストラングラーズ

ストラングラーズ（The Stranglers）

イギリス出身のロックバンド、ストラングラーズは1974年に結成され、以来解散することなく活動を続けています。彼らは1970年代のパンク・ムーヴメントから登場したバンドの一つであり、独特な音楽スタイルで知られています。特に、当時のパンクバンドが持つイメージとは異なり、ストラングラーズは既に確固たるキャリアを持つ音楽家たちによって構成されており、その妖艶でインテリジェンスな音楽性が高く評価されています。

来歴

ストラングラーズのギタリスト兼ボーカルを務めたヒュー・コーンウェルは、スウェーデンで生物学の研究を行っていた際に「Johnny Sox」と名乗るバンドで活動していましたが、1974年にイギリスへ帰国し、ジャン＝ジャック・バーネル（ベース、ボーカル）、ジェット・ブラック（ドラムス）、デイヴ・グリーンフィールド（キーボード）らを招集してストラングラーズを結成しました。コーンウェルは、音楽に生きる道を選んだ背景には、「神の啓示」があったと語っています。

当時、ハードロックやプログレロックが流行していたため、ストラングラーズの斬新さと過激な演奏スタイルは、一部にとってはまったく異質なものでした。これにより、彼らは初期のライブ活動において苦労しつつも、その独自の音楽性が次第に受け入れられ、イギリス全土で人気を博していきました。特に、ストラングラーズは政治的立場を強調せず、「ニュー・ウィング」と称して独自の立ち位置を形成しました。

メジャー・デビュー後

1977年にメジャーデビューを果たすと、ストラングラーズは初期のアルバム、『夜獣の館』、『ノー・モア・ヒーローズ』、『ブラック・アンド・ホワイト』、『レイヴン』が全てUKチャートのトップ5に入る成功を収めました。この期間、彼らは特に若者に大きな影響を与えた存在として確立されました。1979年には初来日公演を行い、1980年代には『メニンブラック』や『ラ・フォリー』などのアルバムをコンスタントにリリースしました。

この頃からはプログレッシブやアートロック、ゴシックロックの要素が音楽に取り入れられ、インテリジェンスでリリカルな作品が多く生まれました。その一方で、日本での知名度はやや低下したものの、イギリス国内では深い精神性と美しいメロディに高い評価が寄せられていました。

コーンウェル脱退以降

1990年、ヒュー・コーンウェルがバンドの方向性に疑問を持ち脱退して以降、ストラングラーズは新しいメンバーを迎えて活動を続けます。コーンウェルが去った後、ジョン・エリスとポール・ロバーツを加え、新たなアルバムを発表しました。その後もメンバーの交代がありましたが、彼らはライブや録音活動を続け、2020年にはバンドの重要メンバーであるデイヴ・グリーンフィールドが死去する悲劇に見舞われました。残されたメンバーは、彼の死を悼みつつ、新たな音楽を創造する姿勢を見せています。

2022年には元ドラマーのジェット・ブラックも亡くなり、多くのファンにとって嘆きの声が寄せられました。現在もストラングラーズは新作アルバムの制作やライブ活動を続けており、その存在感を示し続けています。彼らの音楽は今も多くのファンに支持され、進化し続けているのです。

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