ユニオンカウンシル (パキスタン)

パキスタンのユニオンカウンシル

パキスタンのユニオンカウンシル（英語：Union Councils、ウルドゥー語：یونین کونسل）は、同国の農村地域における行政単位の中でも最も基本的で重要なものです。この組織は、村の議会に相当し、一般的には選挙によって選ばれた21名の議員から構成されます。さらにこの議会は、首長であるユニオン・ナジム（Nazeem）や、その補佐役であるナイブ・ナジブ（Naib Nazeem）によって運営されています。2007年の時点で、パキスタン全体には5,375のユニオンカウンシルが存在しており、これは115の地域に分かれています。

行政的役割

ユニオンカウンシルは、地方政府の第3階層に相当し、また行政区画の第5階層としても位置付けられています。英語では「村議会」とも呼ばれ、この組織が管轄する地域は、大きな村とその周辺の小規模な村を含むことがあります。このため、ユニオンカウンシルはしばしば単なる村を超えた広がりを持つ単位として説明されることがあります。

ユニオンカウンシルという言葉は、都市部においても使用されることがあります。特に、その領域がテシル（郡）の一部であったり、まれに都市地域に属していることもあります。

組織構成

ユニオンカウンシルは、合計で13名の議員が選挙で選出されますが、そのほかにも選出される議員が存在します。具体的には、4名の男性議員、2名の女性議員、2名の男性労働者代表、2名の女性労働者代表、1名のマイノリティ代表が含まれます。さらに、ユニオン・ナジムとその副であるナイブ・ナジムが議会の構成メンバーとなります。

また、ユニオンカウンシルには、地域の行政官が加わり、彼らはユニオンカウンシルの書記官（Secretary of the Union Council）の指揮下で働きます。この書記官は政府により任命された公務員です。

ユニオンカウンシルの設立当初、多くの人々は選挙に出馬する意欲がなかったため、マイノリティ代表や特殊な利益代表を設けることで参加の機会を確保する工夫がなされました。

機能と責任

ユニオンカウンシルの役割は多岐にわたりますが、特に課税やインフラストラクチャーの構築、さらには地域内の紛争解決機構としても機能します。これによって、農村地域における住民のニーズに応え、持続可能な開発を推進しています。

エリート層に偏らず、地域の住民が自らの意見を政策に反映できる場として形成されたユニオンカウンシルは、パキスタンの地方政治の基盤を築く重要な役割を果たしています。

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