ユニコーンストアーズ

ユニコーンストアーズ（香港）株式会社（Unicorn Stores (HK) Ltd.）は、香港において総合ゼネラルマーチャンダイズストア（GMS）を展開する主要な小売事業者の一つです。現在は、不動産開発大手である恒基兆業發展有限公司（Henderson Investment Limited）の系列企業、Urban Kirin Limitedの傘下で運営されています。

この企業の歴史は、日本の小売大手である株式会社ユニーが、初めて海外へ直接進出した事業として1985年12月3日に「ユニー香港株式会社（UNY (HK) Co., Ltd.）」を設立したことに始まります。1987年6月12日には、香港島太古城中心内のCITYPLAZAに第1号店となる「UNY生活創庫」を開店しました。日系スーパーマーケットとして、当初から香港に在住する日本人駐在員やその家族に親しまれていましたが、豊富な種類の日本食材や質の高い日用品を取り揃えることで、地元の香港住民からも支持を広げていきました。その徹底した日本品質の商品展開から、現地の消費者からは「香港で最も日本らしいスーパーマーケット」と高い評価を得るに至ります。

長らくユニーグループの海外関連会社として事業を続けてきましたが、2018年5月には経営体制に大きな変化が訪れます。親会社であったユニー・ファミリーマートホールディングス（現在の株式会社ファミリーマート）は、香港の不動産開発最大手である恒基兆業地産を中核とする投資ファンド、Urban Kirin Limitedに対し、ユニー香港株式会社の全株式を同月末をもって売却することを発表しました。これにより、ユニー香港はユニーグループから独立し、2018年5月31日付で社名を現在のユニコーンストアーズ（香港）株式会社へと変更。新たなスタートを切ることとなりました。その後、2020年9月26日には新たな業態の店舗として「谷辰」を開店するなど、事業を拡大しています。

現在、ユニコーンストアーズは複数の店舗を展開しています。主要な店舗の一つであるAPITA CITYPLAZAは、かつてUNY生活創庫としてオープンした香港1号店が、2007年5月2日に改装・改称されたものです。また、九龍地区にあるUNY生活創庫 LOKFU（楽富）店は、2010年2月末に撤退したジャスコ楽富店の後継として、別棟に2010年6月に開店しました。この店舗では、2007年まで使用され、現地で広く認知されていた「ユニー生活創庫」のブランド名が23年ぶりに再活用されたことでも注目を集めました。新界地区のUNY生活創庫 元朗店は、恒基兆業系のショッピングセンター「元朗千色匯（KOLOUR MALL）」の地下フロアに出店しており、PIAGO徳福店以来10年ぶりのスーパーマーケット業態での新規店舗でした。食料品を中心に日用雑貨も扱う、約1,672㎡の売場面積を持つ店舗です。2020年6月にオープンしました。九龍地区尖沙咀にある谷辰 尖沙咀店は、ショッピングモール「H Zentre」内に2020年9月26日に開店した新業態の店舗です。食料品と生活雑貨を取り扱い、「谷辰（グウサン）」という名称には、自然の恵みを提供するイメージが込められています。新界地区のUNY生活創庫 将軍澳店は、ショッピングセンター「ニュー・メトロポリス」内に2021年11月17日にグランドオープンしました。

過去には閉店した店舗も存在します。九龍湾にあったPIAGO TELFORD（徳福）店は、2010年12月20日にユニーグループとして初の海外ピアゴ店舗として開店しましたが、2019年3月31日に営業を終了しました。また、日本製の日用雑貨などを中心に扱う12香港ドル均一ショップ「私と生活」を、2014年秋から2019年にかけてショッピングセンターのインショップとして計4店舗展開していましたが、これらは全て閉店しています。（西寶城店 2017年11月5日閉店、北角店 2018年9月30日閉店、徳福店 2019年3月31日閉店、樂富店 2019年5月1日閉店）

ユニコーンストアーズは、経営体制の変化を経つつも、かつてユニー香港時代に培った日系スーパーとしての信頼と、日本品質の商品提供を強みとして、香港の小売市場でその地位を維持しています。

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