ユニバーサルリサイクルシンボル

ユニバーサルリサイクルシンボルとは

ユニバーサルリサイクルシンボルは、世界的に認知されているリサイクルのためのシンボルマークです。しばしばリサイクルマークとも呼ばれ、環境意識の高まりとともに、その重要性は増しています。このマークは、正三角形を構成する3つの矢印で表現されています。

歴史

このシンボルの誕生は、1970年に開催された最初のアースデーに端を発します。当時、リサイクル板紙の大手メーカーであったコンテナ・コーポレーション・オブ・アメリカ（CCA）は、環境問題への意識向上を目指し、全国の美術・デザイン系の学生を対象としたリサイクルシンボルマークのコンテストを開催しました。

このコンテストで最優秀賞に輝いたのが、当時南カリフォルニア大学の学生であったゲイリー・アンダーソンの作品でした。彼のデザインは、その後ユニバーサルリサイクルシンボルとして世界中に広まりました。

ライセンス

ユニバーサルリサイクルシンボルはパブリックドメインとして扱われています。CCAは当初、このシンボルの商標登録を申請しましたが、その普及に伴い、後に商標権を放棄しました。これにより、誰でも自由にこのシンボルを使用したり、改変したりすることが可能となっています。

ただし、一部の国では、このシンボルの使用が法律によって規制されている場合もあります。また、その形状には世界中で様々なバリエーションが存在します。

バリエーション

ゲイリー・アンダーソンによる当初のデザインは、現在一般的に知られているものとは異なり、下向きの正三角形でした。CCAは、このデザインを60度回転させ、上向きの正三角形に変更しました。

また、当初のデザインも、CCAによる変更後のデザインも、3つの矢印のうち1つだけが下向きに折れ曲がり、残りの2つは上向きに折れ曲がっていました。これにより、全体として1回のねじりを持つメビウスの輪が表現されていました。しかし、現在使用されている多くのバリエーションでは、すべての矢印が下向き、または上向きに折れ曲がっており、3回のねじりを持つメビウスの輪となっています。

1回のねじりを持つバリエーションの場合、どの矢印を下向きにするかについては、統一された基準はありません。一般的には、矢印は時計回りに循環するように描かれています。

さらに、米国森林・製紙協会は、リサイクルシンボルの4つの異なるバリエーションの使用を推奨しています。黒い輪郭で白抜きのシンボル、および黒く塗りつぶされたシンボルは、製品がリサイクル可能であることを示します。丸の中にリサイクルシンボルを描いたものは、リサイクル素材で作られた製品であることを示します。また、黒い丸に白のリサイクルシンボルは100%再生繊維、白い丸に黒のリサイクルシンボルは一部再生繊維を使用していることを意味します。

樹脂識別コード

1988年、米国プラスチック産業会（SPI）は、製品や包装に使用されたプラスチックの種類を示す樹脂識別コードを制定しました。これは、リサイクル業者が回収された材料を効率的に選別することを目的としています。

樹脂識別コードのシンボルは、ユニバーサルリサイクルシンボルを基にしていますが、プラスチックの表面にエンボス加工しても識別しやすいように、デザインが変更されています。矢印は、元のシンボルのような立体的なものではなく、単なる曲がった矢印となっています。三角形の中には、プラスチックの種類を表す1から7までの数字が記されています。

なお、樹脂識別コードが付与されたプラスチックが、必ずしもリサイクル可能であるとは限りません。

リサイクルコードは、プラスチックだけでなく、金属、ガラス、紙、電池など、他の材料にも対応するように、樹脂識別コードを拡張したものです。

符号位置

Unicodeには、以下のユニバーサルリサイクルシンボルと樹脂識別コードの7つの記号が収録されています。

U+2672 ♲ universal recycling symbol
U+267A ♺ recycling symbol for generic materials
U+267B ♻ black universal recycling symbol
U+267C ♼ recycled paper symbol
U+267D ♽ partially-recycled paper symbol

関連項目

グリューネ・プンクト
リサイクル識別表示マーク

出典

Jones, Penny; Powell, Jerry. "Gary Anderson has been found!". Resource Recycling: North America's Recycling and Composting Journal, May 1999.
Everson, Michael; Freytag, Asmus (2001-04-02). "Background information on Recycling Symbols" (PDF), ISO/IEC Working Group Document N2342
44 Recycle Logos and Symbols

もう一度検索