グリューネ・プンクト

グリューネ・プンクトとは

グリューネ・プンクト（独: Der Grüne Punkt）は、ドイツにおけるデュアルシステムにおいて、包装廃棄物を回収するために包装材に表示されるマークです。このマークは、製品の包装材が確実に回収・再利用されることを保証するものであり、包装材を使用するメーカーは、デュアルシステムドイツ社（DSD社）と契約を結び、このマークを取得する必要があります。

概要

グリューネ・プンクトは、PRO EUROPEの規定により、デュアルシステムを通じて収集される容器包装廃棄物に関して、企業の規模に関わらず使用が義務付けられています。この義務は輸入品にも適用されます。DSD社は、独自のシステムで包装廃棄物を回収し、再利用を行っており、ドイツ全体の包装廃棄物の約8割を処理しています。同様のマークは、フランス、オーストリア、ベルギーなどでも使用されており、「グリーンドット」とも呼ばれています。

マークの使用料は、主に製品の中身の業者が負担していますが、製品の性質によっては例外的に他の業者が負担することもあります。小規模事業者に対する使用料の免除はありません。使用料は、収集、選別、リサイクルにかかる費用で構成されており、ドイツ環境省によると、選別に要する費用が最も高く、次いで収集、最後にリサイクル費用となっています。

遍歴と詳細

PRO EUROPEの成立

1994年、EU包装指令の採択を受けて、EU加盟各国は国内法制度を整備し、独自の包装廃棄物回収・リサイクル機関を設立しました。これらの機関は、システム参加企業が契約料を支払っていることを証明するマークの導入を決定しましたが、各国でマークが異なると貿易障壁になる可能性がありました。そこで1995年、貿易障壁を防ぐためにPackaging Recovery Organisation Europe s.p.r.l.（PRO EUROPE）が設立されました。

1995年、DSD社は、ドイツを除くEU全域での「グリューネ・プンクト」の使用権利をPRO EUROPEに与えました。1996年にPRO EUROPEが営業を開始し、各国のリサイクル機関と使用契約を結びました。同時に、これらの機関はPRO EUROPEの株主となりました。その後も参加国は増加し、現在ではEU加盟国、非加盟国合わせて13ヶ国のリサイクル機関が参加しています。

ライセンス料

ライセンス料は企業の規模や包装材の種類によって異なり、DSD社との契約に基づいて決定されます。

課題

グリューネ・プンクト制度は、包装廃棄物のリサイクル率向上に大きく貢献していますが、いくつかの課題も抱えています。

制度の複雑さ: 多くの関係者が関わるため、制度が複雑になりがちです。
費用負担の公平性: 中身業者への負担が大きいという指摘があります。
リサイクル技術の向上: より効率的なリサイクル技術の開発が求められています。

まとめ

グリューネ・プンクトは、ドイツの包装廃棄物回収システムにおいて重要な役割を果たしています。今後も制度の改善や技術革新を通じて、より持続可能な社会の実現に貢献することが期待されます。

参考情報

グリューネプンクトとは - 意味-定義 ： マネー用語辞典 - ゴーガ
欧州における緑のマークの広まり（PRO EUROPE） (PDF) - 経済産業省産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会

関連項目

ユニバーサルリサイクルシンボル
グリーンマーク
GISマーク

もう一度検索