ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション

ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション

『ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション』（Universal Soldier: Regeneration）は、2009年に製作されたアメリカ合衆国のSFアクション映画です。同名の人気シリーズの3作目にあたり、シリーズの主要キャストであるジャン＝クロード・ヴァン・ダムとドルフ・ラングレンが、1作目『ユニバーサル・ソルジャー』以来の共演を果たした作品として注目されました。

本作は主にビデオ作品として展開されましたが、2009年にはアメリカのテキサス州でプレミア上映が行われたほか、いくつかの国では劇場公開も実施されました。日本においては、2010年6月26日に劇場公開されています。

シリーズにおける位置づけ

シリーズ前作である『ユニバーサル・ソルジャー/ザ・リターン』は、物語の時系列上、本作とは直接的な繋がりを持っていません。これに対し、『ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション』は、1992年に公開されたシリーズ第1作目の物語的続編として位置づけられています。つまり、第1作で描かれた出来事の後のストーリーとして展開されるため、前作を観ていなくても第1作のファンであればスムーズに物語に入り込める構成となっています。

「ユニバーサル・ソルジャー」の概念

シリーズの根幹をなす「ユニバーサル・ソルジャー」という存在は、1作目においては戦死した兵士の遺体を蘇生させ、強化した再生兵士として描かれていました。本作では、物語に登場するキャラクター、特に1作目で物理的に破壊され再生不能とされたはずのスコット（ドルフ・ラングレン）が再び姿を現すことから、この「ユニバーサル・ソルジャー」が必ずしも死体蘇生のみでなく、クローン技術によって生み出された兵士を含む可能性が示唆されています。科学技術の進化に伴い、兵士再生プログラムも新たな段階に入ったことが示唆される点は、シリーズの世界観に奥行きを与えています。

物語の概要

物語は緊迫した状況から幕を開けます。チェチェン民族主義を掲げるテロリスト集団が、ロシア首相の息子を誘拐し、原子力発電所を占拠するという大規模な事件を引き起こします。この極めて危険な事態に対処するため、兵士再生プログラムによって生み出された最強のユニバーサル・ソルジャーの一人であるリュック（ジャン＝クロード・ヴァン・ダム）が出動します。彼は高度な戦闘能力を駆使し、テロリスト鎮圧と人質救出を目指します。しかし、リュックの前に予期せぬ敵が現れます。それは、かつて彼の宿敵であったユニバーサル・ソルジャー、スコットでした。冷凍冬眠状態から覚醒させられたスコットは、リュックの行く手を阻むように立ちはだかり、二人の因縁の対決が再び繰り広げられます。極限状態下の原発を舞台に、リュックはテロリスト、そして蘇った宿敵との壮絶な戦いに挑むことになります。

キャストと公開

本作では、ジャン＝クロード・ヴァン・ダムが主人公のリュック・デブローを、ドルフ・ラングレンが宿敵のアンドリュー・スコットを演じ、1作目以来の顔合わせが実現しました。彼らの迫力あるアクションシーンは、シリーズファンにとって大きな見どころの一つです。

本作は前述の通りビデオ作品として製作されましたが、そのクオリティの高さから一部地域では劇場公開もされ、特にアクション描写においては高い評価を得ました。シリーズの中でも第1作の精神を受け継ぎつつ、新たな技術（クローン示唆）を取り入れた意欲作と言えます。

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