ユニバーシティ・カレッジ

ユニバーシティ・カレッジとは

ユニバーシティ・カレッジは、高等教育を提供する教育機関でありながら、完全な大学としての独立性を持たない存在です。その定義や役割は、国や地域、時代によって大きく異なります。

各国のユニバーシティ・カレッジ

アイルランド

アイルランド国立大学とクイーンズ大学ベルファストは、かつてイギリスのユニバーシティ・カレッジの形式に基づいて設立されました。クイーンズ大学ベルファストは、後にセント・メアリーズ・ユニバーシティ・カレッジとストランミリス・ユニバーシティ・カレッジを設立し、学位を授与しています。

アメリカ合衆国

アメリカでは、セントルイス・ワシントン大学、アリゾナ州立大学など、多くの大学が継続教育や非正規学生向けの部門として「ユニバーシティ・カレッジ」という名称を使用しています。また、新入生全員が「ユニバーシティ・カレッジ」に所属し、学業指導やアドバイスを受ける制度を設けている大学もあります。

イギリス

イギリスでは、「ユニバーシティ・カレッジ」の名称は法的に保護されており、使用には政府の認可が必要です。かつては大学よりも格下の教育機関と見なされていましたが、近年では大学への昇格が進んでいます。オックスフォード大学ユニバーシティ・カレッジやユニバーシティ・カレッジ・ロンドン（UCL）など、歴史ある名門カレッジも存在します。

オーストラリア

オーストラリアでは、かつて自治権を持たない教育機関をユニバーシティ・カレッジと呼んでいました。現在では、特定の科目を専門とするカレッジや、大学に付随する寮制カレッジがユニバーシティ・カレッジとして存在します。

オランダ

オランダの「ユニバーシティ・カレッジ」は、アメリカのリベラル・アーツ・カレッジのような幅広い教養教育を提供するプログラムを指します。ユトレヒト大学のユニバーシティ・カレッジ・ユトレヒトを始め、多くの大学が同様のプログラムを提供しています。

カナダ

カナダでは、「ユニバーシティ・カレッジ」は学位を授与する機関、大学レベルの授業を行う機関、大学の構成組織という3つの意味で使用されます。多くの教育機関が「ユニバーシティ・カレッジ」の名称を使用していますが、「ユニバーシティ」の名称は法的に保護されています。

ニュージーランド

ニュージーランドの大学は、かつてはユニバーシティ・カレッジとして、ニュージーランド大学の一部を構成していました。現在は全てが独立した大学となっています。

フィリピン

フィリピン大学では、学部課程の最初の2年間に履修すべきコア科目を提供するユニバーシティ・カレッジが設置されていました。また、フィリピン大学の教育水準を提供することを目指したカラヤン・カレッジという教育機関も存在します。

フィンランド

フィンランド語では、複数の「カレッジ」を持つ古典的な「ユニバーシティ」を「Yliopisto」と呼びます。専門大学は「korkeakoulu」と呼ばれ、一部の「korkeakoulu」は「Yliopisto」と改名しています。

ベルギー

ベルギーでは、オランダ語圏の「Hogescholen」とフランス語圏の「Hautes écoles」を英語で「ユニバーシティ・カレッジ」と呼びます。これらの機関は、大学に相当しない国立の高等教育機関であり、実践的な美術教育を行っています。

マレーシア

マレーシアでは、「ユニバーシティ・カレッジ」は専門分野で学位を発行する権限を与えられた教育機関を指します。「ユニバーシティ」の地位を持つ機関は、より幅広い分野の教育課程を提供します。


このように、ユニバーシティ・カレッジは、その形態や役割が多様であり、各国の高等教育制度において重要な位置を占めています。

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