ユフタの闘い

ユフタの闘い

ユフタの闘いは、1919年2月25日にシベリア出兵中の日本軍がロシアの白軍からの要請に応じて、パルチザン（革命派武装勢力）に対して行った掃討作戦の一部として位置づけられています。この戦闘は、ロシアのアムール州にあるユフタで発生し、日本軍はほぼ全滅の状態に陥りました。

戦闘の背景と経緯

この戦いは実際には複数の戦闘が連鎖的に行われた結果であり、それぞれの部隊が全滅の危機に直面しました。歩兵第72連隊第3大隊の田中勝輔少佐は、1919年2月24日午前2時にユフタ付近に進出するよう指示を受けました。彼は、敵の背後を突くために攻撃を計画していました。

途中、アレキセフスクで森山俊秀中尉の指導する1個小隊を留め置き、田中大隊は夕方にユフタに到着します。しかし、2月25日午前8時に田中少佐が香田驍雄少尉の小隊を偵察に出したところ、敵の優勢な兵力に包囲され、その小隊は全滅してしまいます。残されたのは4人の負傷者のみでした。

その後、同日午後11時に状況を確認した田中少佐は、攻撃を再開するためにスクラムレフスコエへ向かいますが、26日午前8時にチユデイノフカ西の森で再び敵と遭遇し、日本軍は再度包囲されます。この戦闘では、日本側の全大隊が戦死するという深刻な結果に至りました。さらに、アレキセフスクに留まっていた西川達次郎大尉の野砲兵第12連隊第5中隊も、田中大隊の増援に向かう途中で包囲され、負傷者5名をのぞいて全滅を余儀なくされました。

戦力の比較と結果

ユフタの戦闘における日本側の兵力は310名に達し、大砲は2門ありましたが、実際に戦闘に従事した兵士はそのほとんどが戦死しました。敵は約2500名の戦力を持っていたとされ、この数に対して日本軍は明らかに劣勢でした。この戦闘の評価には、非常に重い事実が含まれています。

1925年に発表された『西伯利出兵史要』では、全滅の概念が語られ、その中には多少の生存者がいることを前提とした全滅があるとされています。しかし、ユフタでの結果は真の全滅と呼称され、このような惨事は歴史上でも特異な事例であると指摘されています。

また、別の文献『西比利亜巡遊記』では、戦闘の詳細に触れながらも、25日の香田小隊の全滅に関しては記述が省かれており、26日の戦闘の模様に焦点が当てられています。やはり、この戦いでも「全滅」という表現が使われるなど、戦闘の激烈さを印象付けています。

結論

ユフタの闘いは、シベリア出兵の背景の中で特に重要な戦闘の一つとされており、多くの兵士が命を失った悲劇の象徴として語り継がれています。これらの出来事は、当時の国際情勢や日本の軍事戦略に大きな影響を与え、今もなお歴史的な教訓として位置づけられています。

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