ユリウス・レーバー

ユリウス・レーバーの生涯と彼の闘い

ユリウス・レーバー（Julius Leber）は、1891年にエルザス＝ロートリンゲンのビースハイムで生まれたドイツの政治家であり、主にドイツ社会民主党（SPD）に所属していました。彼の人生は、20世紀の波乱万丈な歴史と深く結びついており、特にナチス政権下における反体制運動の象徴的人物として知られています。 レーバーは1910年代にフライブルク大学で学びを深め、学生時代にSPDに加入しました。その後、第一次世界大戦に志願して軍隊に入隊し、戦後も国防軍に残りました。彼は、当時の政治情勢に影響を与える出来事に積極的に関与し、1920年のカップ一揆ではヴァイマル共和国側に立ってこれを鎮圧しました。

しかし、軍内部の反革命的な動きに失望し、最終的には軍を離れました。彼は再び学びの道へ戻り、フライブルク大学から博士号を取得し、政治家としてのキャリアをスタートさせました。1921年には社民党の機関紙『Lübecker Volksbote』の編集長を務め、リューベックの市議会議員としても活躍しました。その後1924年には国会議員に選出されます。

しかし、1933年にアドルフ・ヒトラーが首相に就任すると、レーバーはナチスの弾圧の対象となり、逮捕されてオラニエンブルク強制収容所に収容されました。彼は1937年までそこに留め置かれ、その後はベルリンの石炭販売業者として働き始めましたが、裏で反ナチ運動を続けていました。彼は多くの同士と共にレジスタンスグループの形成に努め、反ナチ派のリーダーとして活動しました。

1940年からは軍の中にいる反ナチ派とも連携を図り、フォン・シュタウフェンベルク伯爵とも接触を持つようになりました。彼らは「クライザウ・サークル」を中心に、ヒトラー暗殺に向けた計画を立て、無事に成功した場合にはレーバーがドイツ内相に任命される予定でありました。しかし、1944年7月5日、彼はゲシュタポに逮捕され、それに続く裁判で死刑判決を受けました。

1945年1月5日、ベルリンのプレッツェンゼー刑務所で絞首刑にされる運命を迎えました。彼の死後、ベルリン・シェーネベルクにある橋が「ユリウス・レーバー」と命名され、そこには彼の名を刻んだ記念碑が立てられています。この碑文は彼の功績を称えるものであり、彼が自由と正義のために命を捧げたことを象徴しています。ユリウス・レーバーの生涯は、自己犠牲と抵抗の象徴として、今も多くの人々に語り継がれています。

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