ユンカース ユモ 205

ユンカース ユモ205の概要

ユンカース ユモ205 (Junkers Jumo 205) は、ユンカース・モトーレン社によって開発された、2ストローク対向ピストン式の液冷ディーゼルエンジンです。このエンジンは、直列6気筒で、合計12のピストンを持つ構造を採用しています。このユモ205は、航空機用のディーゼルエンジンの中で実用化された数少ないモデルの一つです。

開発背景

ユモ205の開発は、前作であるユモ204の性能限界が明らかになった1931年に始まりました。より高い性能を求めた結果、ユモ205の試作機が1932年に製作され、「ユモ5」という名称が付けられました。試験は1932年12月1日から1933年春まで、フォッケウルフ A17というテストベッド機で実施されました。

194年にはユモ205の設計がスタートしましたが、実用化には数多くの課題を克服する必要がありました。特に、ピストンの焼きつきが頻繁に発生していたため、ピストンに使用する金属材料を変更する対応が求められました。また、上段のピストンリングは通常の密閉性を保つ役割に加え、下部のピストンを受ける役割も果たしていました。

性能評価

このエンジンは、ドイツの航空会社ルフトハンザより耐久性が高く燃料消費が少ない点で高く評価されました。しかし、戦闘機に搭載された場合、スロットル操作に対する応答の遅延やトラブルの頻発が指摘され、結果として旅客機や偵察機、哨戒機など、長距離を飛行する機材に適したエンジンとなりました。

ユモ205はその後、ターボチャージャーとインタークーラーを搭載したユモ207Bへと進化し、ユンカースJu86P/R高高度偵察機に使用されることになりました。

主要諸元

• - 型式: 液冷対向ピストン型6気筒2行程式ディーゼルエンジン
• - 筒径×行程: 105 mm × 160 mm × 2
• - 総排気量: 16.62 L
• - 全長: 1,934 mm
• - 全幅: 547 mm
• - 全高: 1,325 mm
• - 乾燥重量: 595 kg
• - 燃料供給方式: 直接噴射式
• - 離昇出力: 867 HP / 2,800 rpm
• - 公称出力: 600 HP / 2,200 rpm

各形式について

• - ユモ5: 試作機で出力は550 HP/2,100 rpm。
• - ユモ205A、B、C: 1934年に改称され、出力は600 HP/2,200 rpm。クランクシャフトに緩衝ダンパー付き。
• - ユモ205D: 空軍向けで出力は880 HP/2,800 rpm。
• - ユモ205E、G: ルフトハンザ向けで出力は700 HP/2,500 rpm。耐久時間は1,000時間に設定。

搭載機

ユモ205は、以下の航空機に搭載されました。

• - BV 138
• - Ha 139
• - Do 18
• - Do 26
• - Ju 86

関連項目

• - ユンカース ユモ 218
• - ユンカース ユモ 223
• - 航空用エンジンの一覧
• - 航空用エンジンメーカーの一覧

外部リンク

• - Jumo205 説明と画像
• - 英国空軍博物館

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