ユークレース

ユークレース（Euclase）

ユークレースは、化学式BeAlSiO4(OH)を持つベリリウム珪酸塩鉱物です。この鉱物は美しい結晶が特徴で、その色合いは非常に薄い青から深い青まで多様です。また、不純物の影響により無色、白色、緑色の結晶も存在します。

結晶の特性

ユークレースの結晶には非常に顕著な特性があります。特に、その劈開は完全であり、特定の傾斜軸面に沿って割れやすいです。この性質をルネ＝ジュスト・アユイという地質学者が注目し、ギリシャ語で「易しい」を意味する「εὖ」（eu）と「割れる」を意味する「κλάσις」（klasis）を組み合わせた名称を提案しました。この名前が示す通り、ユークレースはその完璧な劈開によって結晶が欠けやすく、宝石やアクセサリーとしての取り扱いにはデリケートさが要求されます。

硬度と比重

ユークレースはその物理特性として、モース硬度が7.5という数値を持ち、これは緑柱石（7.5から8）に非常に近い硬さです。また、トパーズ（モース硬度8）よりも若干柔らかく、加工する際にはこれらの鉱物と類似した取り扱いが必要です。同様に、ユークレースの比重は約3.1と、ベリルやトパーズに似た値です。

産地

ユークレースの主な産地は、ジンバブエ、ブラジル、コロンビアに集中しています。これらの地域で採掘されたユークレースは、その美しさと希少性からコレクターや愛好者に非常に人気があります。日本では、岐阜県中津川市の福岡鉱山で微細な結晶が発見されただけで、非常に限られた場所でしか採取されていないため、入手が困難です。

最後に

ユークレースはその美しい外観と特性から、鉱物学的にも宝石としても注目される対象です。ただし、扱いには注意が必要であり、特に宝飾品として使用する場合は、結晶の特性を熟知した上で適切な加工が求められます。希少性や美しさから、ユークレースは世界中の宝石コレクターや愛好者にとって特別な存在であり続けています。

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