ユーディト・フォン・バイエルン (925-985)

ユーディト・フォン・バイエルン：バイエルン公妃、そして摂政

ユーディト・フォン・バイエルン（925年 - 985年以降）は、中世バイエルンの歴史において重要な役割を果たした女性です。バイエルン公ハインリヒ1世の妃として、またその死後には幼い息子ハインリヒ2世の摂政として、公領の政治に関与しました。

生涯

ユーディトは、ルイトポルト家のバイエルン公アルヌルフとユーディト・フォン・フリウーリの娘として生まれました。彼女とハインリヒ1世の結婚は、父アルヌルフがバイエルン公であった頃に決められたと考えられています。ユーディトがフリウーリ辺境伯の血を引いていたことが、ハインリヒ1世がイタリア王位を主張する根拠の一つになったとも言われています。この結婚は、バイエルン公領が新たに成立した神聖ローマ帝国に取り込まれる過程を促進しました。

955年にハインリヒ1世が亡くなると、当時4歳であった息子ハインリヒ2世がバイエルン公位を継承しました。ハインリヒ2世が幼かったため、ユーディトが摂政として公領を統治しました。彼女は夫ハインリヒ1世の政策を支持し、実家の政治姿勢とは異なる立場を取りました。ハインリヒ1世の存命中には、ユーディトが政治に影響を与えたという記録はほとんどありません。わずかな文献から、彼女の生涯を垣間見ることしかできません。

聖地巡礼の後、974年以降はレーゲンスブルクのニーダーミュンスター修道院で生活し、夫ハインリヒ1世と同様にこの修道院に埋葬されました。

子女

ユーディトは、ハインリヒ1世との間に以下の子女をもうけました。

ハトヴィヒ（939年頃 - 994年）：954年にシュヴァーベン大公ブルヒャルト3世と結婚
ゲルベルガ（940年頃 - 1001年）：ガンダースハイム女子修道院長
ハインリヒ2世（喧嘩公）（951年 - 995年）：バイエルン大公（955年 - 976年、985年 - 995年）

ユーディト・フォン・バイエルンは、夫の死後、幼い息子のために公領を統治し、その政治手腕を発揮しました。彼女の生涯は、中世バイエルンの歴史における女性の役割を考える上で重要な事例と言えるでしょう。

参考文献

Wilhelm Störmer: Judith. In: Neue Deutsche Biographie (NDB). Band 10, Duncker & Humblot, Berlin 1974, ISBN 3-428-00191-5, S. 640 f. (電子テキスト版).
Alois Schmid: Herzogin Judith von Bayern. In: Zeitschrift für Bayerische Landesgeschichte 76 (2013), S. 389–406 (Digitalisat).
Winfried Glocker, Die Verwandten der Ottonen und ihre Bedeutung in der Politik. Studien zur Familienpolitik und zur Genealogie des sächsischen Kaiserhauses, Köln, 1989.

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