ユートピア (アルバム)

アルバム『ユートピア』

松田聖子の通算7枚目となるオリジナルアルバム『ユートピア』は、1983年6月1日に発売されました。この作品は、CBS・ソニーからリリースされ、聖子の音楽キャリアの中でも特に重要な位置を占めています。アルバムのテーマは、全10曲から成るものであり、その内容は聴く者に強い印象を与えるものでした。

アルバムの背景

本アルバムには、ヒットシングル「秘密の花園」や「天国のキッス」が含まれており、これらの曲はリリース当時から多くのファンに愛され続けています。また、甲斐バンドの甲斐祥弘と上田知華が楽曲を初めて提供したことも、本作の特筆すべき点と言えるでしょう。このアルバムは、第25回日本レコード大賞でベストアルバム賞を受賞し、松田聖子の実力を改めて証明しました。

レコードとカセットには、A面とB面に異なるテーマが設けられ、A面は「blue-island side」、B面は「south-wind side」と名付けられています。さらに、録音にはソニーが誇るデジタルテープレコーダーPCM-3324が使われ、松田聖子のアルバムとしては初めてのデジタルレコーディングとなりました。このことは、音質の点でも新たな試みに繋がりました。

11曲中、アルバム収録曲の多くが後にベストアルバムに収録されることが多く、特に「Bye-bye Playboy」のみが異なる存在として知られています。ちなみに、アルバムジャケットは、オリビア・ニュートン＝ジョンの「水のなかの妖精」のオマージュではないかとも言われています。

特徴的な楽曲と制作エピソード

アルバムの中でも特に人気のある楽曲に「ピーチ・シャーベット」があります。この曲はファンからのリクエストが多く、2021年の40周年記念コンサートでもパフォーマンスされました。同じく「マイアミ午前5時」も聖子にとっては特別な曲で、元々のタイトルは「水曜の午前5時」でしたが、セイシェルの情景に合わせて改題されました。この曲のレコーディングは非常に困難であり、制作過程で聖子はプロデューサーの意図を理解することに苦労し、今でもその時の思い出が鮮明に残っていると語っています。

また「セイシェルの夕陽」は、聖子本人が非常に愛着を持つ作品であり、ライブでも頻繁に披露されています。最初はアルバムのA面に収録される予定でしたが、最終的には他の収録曲同様にファンに愛されることとなっています。

収録曲リスト

• - ピーチ・シャーベット
• - マイアミ午前5時
• - セイシェルの夕陽
• - 小さなラブソング
• - 天国のキッス
• - ハートをRock
• - Bye-bye Playboy
• - 赤い靴のバレリーナ
• - 秘密の花園
• - メディテーション

本アルバムにおいて、音楽制作にも非常に多くの人々が関わっており、プロデューサーとディレクターとしては和歌山誠一が、アシスタントディレクターとして佐藤博明が名を連ねています。また、エンジニアリング面でも高い技術が要求されたため、録音作業はとても重要な要素となっていました。

このように『ユートピア』は、音楽的にも技術的にも松田聖子のキャリアの中で特に重要な作品であり、今なお多くのファンに支持されています。

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