ユーラシアエクスプレス殺人事件

ユーラシアエクスプレス殺人事件

1998年11月26日に発売された「ユーラシアエクスプレス殺人事件」は、エニックス（現・スクウェア・エニックス）によって開発されたプレイステーション向けのソフトであり、全編に実写映像が採用されています。これは「シネマアクティブ」シリーズの第1弾で、人間同士の対話を通じて物語が進行するユニークなアプローチが特徴です。

ゲームの内容

プレイヤーは私立探偵として、事件解決のために様々なキャラクターと対話し、証拠を集めていくことが求められます。ゲーム内では乗客たちへの聞き込みが重要な要素となっており、限られた時間内（実際のプレイで約2時間）に進行しなければ、ストーリーは終わりを迎えます。リミット時間の管理やキャラクターとの「好感度」も考慮しなければならず、会話の選択によって進行が大きく変わるのがこのゲームの魅力です。

「好感度」はキャラクターとの関係性を深める重要な要素で、特定の行動や発言によってその数値が変動します。特に、プレイヤーが他のキャラクターを怒らせてしまう行動を取ると、「好感度」が下がり、進行が難しくなる場合があります。このゲームの終局では、最も高い好感度のキャラとの特別なシーンが待っているため、注意深い選択が求められるのです。

物語のあらすじ

物語は、中国の上海から出発するユーラシアエクスプレス号で展開されます。プレイヤーは探偵として、助手である片岡つばさに依頼を受け、修学旅行に同行することになります。しかし、列車内で引率の教師が何者かに殺されてしまうという恐ろしい事件が発生。プレイヤーとつばさは、次の停車駅までの限られた時間を駆使してこの殺人事件を解決しなければなりません。

主な登場人物

• - 片岡つばさ: 主人公の助手であり、修学旅行の同行者。
• - 田宮京子: バスケットボール部のキャプテンで彼女自身も信頼されている存在。
• - 佐野はるか: 無愛想で一人を好むが、田宮とは仲が良い。
• - 本郷あみこ: 明るい性格ながらも、少し不器用な一面も。
• - 和田雪乃: 口数は少ないが根は真面目で静かな存在。
• - 土井原早苗: 事件の第一発見者で、お嬢様育ち。

その他、同級生や教師が次々と登場し、事件の解決に向けた手がかりを提供します。各キャラクターは独自の背景や性格を持ち、プレイヤーは彼らとの関係を築くことが求められます。

開発背景と反響

本作のプロデューサーである齊藤陽介は、実写を用いることで制作費の抑制を図りつつ、映画のようなゲーム体験を提供しようとしました。当時、実写を取り入れたゲームは珍しく、注目を集めた結果、ヒット作となりました。特に、当時新進気鋭だった深田恭子や加藤あいの起用が成功要因とされています。

まとめ

「ユーラシアエクスプレス殺人事件」は、ミステリーと人間関係の深さを体感できる作品です。実写映像を通じて、プレイヤー自身がストーリーの一部として関与し、選択の結果がダイレクトに関わってくる仕組みは、多くのプレイヤーに新鮮な体験をもたらしました。今後もこのようなゲームが増えることを期待しています。

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