ユーロビジョン・ソング・コンテスト1966

ユーロビジョン・ソング・コンテスト1966：革新と波乱の舞台

1966年3月5日、ルクセンブルクのヴィラ・ルヴィニーを舞台に、第11回ユーロビジョン・ソング・コンテストが開催されました。前回の1962年大会と同じ会場です。製作はCLTテレ・ルクセンブルクが担当し、ジョジアーヌ・シェンが英語とフランス語でプレゼンターを務めました。音楽監督はジャン・ロデル、フランスの指揮はフランク・プゥルセルが8年連続で担当しました。放送時間は1時間27分でした。

参加国と放送ネットワーク

18ヶ国が参加し、これは前年と変わりありません。東ドイツ、ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ソビエト連邦、モロッコといった国々が、参加はしませんでしたが、中継放送を実施しました。

リハーサルでの騒動

2年連続でリハーサル中に騒動が発生しました。今回は、イタリア代表のドメニコ・モドゥーニョがオーケストラの演奏に不満を訴え、リハーサルを中止させるという事態に。一時、イタリアの出場が危ぶまれましたが、彼は本番には無事復帰し、ステージに立つことができました。

規則の変更

前年のコンテストで、スウェーデン代表が自国の公用語ではない英語で歌唱したことが議論を呼びました。これを受けて、今大会から出品作品は必ず自国の言語で歌うことが義務付けられることになりました。

大会史上初の出来事

オランダ代表のミリー・スコット（スリナム出身）が、ユーロビジョン史上初の黒人歌手として出場しました。
デンマーク代表のウラ・ピアが、2人のダンサーを伴って出場し、大会史上初のダンサー付きのパフォーマンスを披露しました。
ノルウェー代表のアイセ・クリーヴランドが、女性出場者として初めてズボンを着用しました。
イギリス代表のケネス・マッケラー（スコットランド出身）は、民族衣装であるスコッチ・キルトを着用して登場しました。

投票方式

前年と同様の方式が採用されました。各国審査員は各20名で、持ち点は各人9点。お気に入りの3曲に配分するというもので、配分方法は5-3-1、6-3-0、9-0-0のいずれでも可能でした。各放送局は、その得点を集計し順位を決定。1位=5点、2位=3点、3位=1点として会場に連絡しました。

プレゼンターのジョジアーヌが、BBCのスポークスマンであるデビッド・ジェイコブスに呼びかける際、「こんばんは、ロンドン(Good evening, London !)」と言うべきところを「お休み、ロンドン(Good night, London !)」と言い間違えるというハプニングがありました。これに対し、デビッドが「おはよう、[ルクセンブルク]」と返す一幕もありました。

結果

優勝は、3年連続出場のオーストリア代表、ウド・ユルゲンスの「メルシー・シェリー」でした。これは、ユーロビジョン史上初のドイツ語での優勝となりました。

2位にはスウェーデン、3位にはノルウェーが入賞しましたが、この結果に対し、「北欧4ヶ国が結託して互いに高得点を与えあったのではないか」という意見も出ました。スウェーデン代表のリル・リンドフォッシュは、「フランス語圏の時代を終わらせようと、北欧が団結しただけよ」とコメントしています。

モナコと、リハーサルで騒動を起こしたイタリアは、無得点に終わりました。

得点表

（得点表のデータは省略）

歌詞

各曲の歌詞については、Diggiloo Thrushを参照してください。

出典

英語版・フランス語版のWikipedia記事を参考にしました。

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