ユーロビジョン・ソング・コンテスト1971

ユーロビジョン・ソング・コンテスト1971：新たな試みと波紋

1971年4月3日、第16回ユーロビジョン・ソング・コンテストがアイルランド・ダブリンのゲイエティ・シアターで開催されました。アイルランド放送協会(RTÉ)が制作を担当し、RTÉ初のカラー放送という記念すべき大会となりました。また、曲のイメージに合わせてカラー・スポットを当てる演出も試みられ、視覚的にも楽しめる工夫が凝らされていました。

大会概要

指揮者は、アイルランド語'>[アイルランド]]がノエル・ケレハン、フランスは今回で13回目となるフランク・プゥルセル、スペインはワルド・デ・ロス・リオスが担当しました。プレゼンターはベルナデット・ニ・ガルコアが務め、ゲール語]、[[フランス語、英語の3ヶ国語を流暢に操り、国際色豊かな大会を盛り上げました。放送時間は1時間46分でした。

参加国

マルタが新規参入を果たし、前年ボイコットした5ヶ国も全て復帰したため、参加国は計18ヶ国に増加しました。また、ケーブルテレビや衛星放送を通じて、アメリカ、香港を含む世界29カ国に生中継され、ユーロビジョンの影響力が世界に広がる様子がうかがえました。

プロモーションビデオの導入

今大会では、事前にプロモーションビデオを作成し、大会前日に全曲放送するという新たな試みが導入されました。ビデオ製作は参加国全ての放送局が担当し、各国の個性をアピールする絶好の機会となりました。

投票方式の大幅な変更

投票方式は大幅に変更され、審査員は各国2名に絞られました。審査員の構成は、16歳から25歳までの若者1名と、26歳から55歳までの大人1名と定められました。各審査員は、会場の舞台裏エリアで歌を鑑賞し、全曲を五段階評価で採点しました。1人5点満点なので、2人で10点が各国の最高得点となります。63年の方式とは異なり、何度でも5点をつけることが可能で、そのままの数値が集計対象となりました。これにより、無得点が発生しない仕組みとなりました。各国の採点は、歌が終わるとすぐに集計にかけられ、審査員は最終結果発表の際、ステージに上がってスコアを確認しました。また、スコアボードもアナログの札から、発光ダイオードのデジタル表示に変わり、視覚的な分かりやすさが向上しました。

しかし、この投票方式に対しては、「自国を有利にするために、他国に低い点数しかつけないことも可能だ」「集計に時間がかかりすぎる」等の批判的な意見も寄せられました。

結果と波紋

優勝はモナコのセベリーネが歌う「明日に夢見て」でした。しかし、歌手、作曲者、指揮者の全てがフランス人で占められ、モナコ人は一人もいないという結果に、一部から疑問の声が上がりました。同曲は、スウェーデン、カナダで1位、ノルウェーで2位、ベルギーで3位、フランスで4位、スイスで5位、全英シングルチャートで9位を記録するなど、商業的には大きな成功を収めました。

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