ユーロビジョン・ソング・コンテスト1980

ユーロビジョン・ソング・コンテスト1980：第25回大会の詳細

1980年4月19日、オランダのデン・ハーグにあるコンセルトヘボウ（現在のワールド・フォーラム・コンベンション・センター）で、第25回ユーロビジョン・ソング・コンテストが開催されました。プレゼンターは女優のマルロウズ・フルイトスマが務め、オランダ語のみで進行されました。NOSオランダ放送協会が制作を担当し、放送時間は2時間18分でした。

オランダによる代理開催の経緯

1979年の優勝国であるイスラエルは、当初、自国開催の権利を持っていました。しかし、2年連続での開催は財政的な負担が大きく、イスラエル政府もIBAイスラエル放送協会の支援要請を拒否したため、開催を断念せざるを得ませんでした。

欧州放送連合（EBU）は、前年2位のスペインや3位のイギリスと代理開催について交渉しましたが、合意には至りませんでした。最終的に、オランダが代理開催を引き受けることになりました。オランダは過去に4回（1957年、1959年、1969年、1975年）優勝していますが、開催は3回（1958年、1970年、1976年）でした。これは、1960年の大会をイギリスが代理開催したためで、今回はその穴埋めという形になりました。NOSは、短期間で経費を節減した内容で準備する必要があったため、会場は1976年と同じ場所を使用し、デザイナーなども再登用しました。

参加国の状況

参加国数は2増2減で、前年と同じ19ヶ国となりました。

イスラエルは、開催日がヨム・ハジカロン（イスラエルの戦没将兵追悼記念日）と重なったため、代表を選出していたにもかかわらず、参加を中止しました。これにより、前年優勝国が参加しない唯一の大会となりました。

イスラエルが不参加となったため、トルコは近隣諸国への配慮が不要となり、復帰することができました。

また、アラブ世界であるモロッコが初参加を果たしました。しかし、大会で低い評価を受けたため、以降参加することはありませんでした。

モナコは当大会から撤退し、その後2004年まで参加しませんでした。

数年ぶりの大会復帰を目指していたユーゴスラビアは、チトー大統領の重病（5月4日没）のため、代表を選出していたものの、直前でキャンセルとなりました。

投票方法

投票方法は変更されず、各国の審査員が気に入った他国の10曲に投票し、お気に入り順に12点、10点、8点から1点を配点しました。

各国のスポークスマンが国際電話を通じて得点を発表し、プレゼンターが復唱確認し、スコアボードに加算されました。通常は英語とフランス語の2ヶ国語が使用されますが、今大会ではオランダ語のみが使用されました。

発表を盛り上げるため、各国の審査員は下位から順に「1点は…、2点は…、3点は…」と読み上げることが定められました。

得点発表の初期には、オランダがリードを広げ、最初の4ヶ国が得点を発表した時点で、3ヶ国から最高の12点を獲得しました。しかし、その後はオランダの得点は伸び悩み、ドイツ、次いでアイルランドが首位に立ちました。

結果

アイルランドのジョニー・ローガンが「What's Another Year」を歌い、優勝を果たしました。これはアイルランドにとって2回目の優勝であり、1970年大会の「All Kinds of Everything」以来の快挙となりました。

ドイツは2位となり、初めて優勝に王手をかけました。ドイツは翌年も2位となり、さらに1982年大会で初優勝を果たしました。1985年と1987年にも2位となり、1980年代で最も好調な国となりました。

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