ユーロビジョン・ソング・コンテスト1995

ユーロビジョン・ソング・コンテスト1995：アイルランドの苦悩と革新

1995年5月13日、アイルランドのダブリンにあるポイント劇場で、第40回ユーロビジョン・ソング・コンテストが開催されました。アイルランド放送協会（RTÉ）が制作を担当し、マリー・ケネディがプレゼンターを務めました。彼女はアイルランド語、英語、フランス語の3言語を巧みに操り、国際色豊かなイベントを盛り上げました。オープニングでは、コンテストの40年の歴史を振り返る特別なビデオが上映され、観客を魅了しました。放送時間は2時間51分に及び、ヨーロッパ中の視聴者がその模様を楽しみました。

3年連続開催の裏側

アイルランドは、この年で3年連続の開催国となりました。これは、ユーロビジョン史上初の出来事でした。しかし、小規模なRTÉにとって、その負担は決して軽いものではありませんでした。イギリスのBBCは、北アイルランドのベルファストとの共同開催を提案しましたが、当時の北アイルランド情勢を考慮したRTÉは、この申し出を断りました。政府からの追加融資を受け、単独開催に踏み切ったのです。観覧チケットは、アイルランド国立宝くじが主催する抽選で販売され、多くの人々が幸運を手にしました。

一方で、RTÉは欧州放送連合（EBU）に対し、これ以上の負担は困難であると訴えました。その結果、放送時間が3時間を超えないように、参加国を23ヶ国に減らすことになりました。

参加国の変動

参加国は、前年から5ヶ国が増え、7ヶ国が減少し、合計23ヶ国となりました。リトアニア、エストニア、オランダ、フィンランド、ルーマニア、スイス、スロバキアが休場し、ベルギー、イスラエル、デンマーク、スロベニア、トルコが復帰しました。また、マケドニアからはカロリーナ・ゴチェヴァが代表として選出されましたが、エントリー時点で16歳に達していなかったため、年齢制限により出場を断念せざるを得ませんでした。

投票方法と結果

投票方法は前年と変わらず、各国の審査員が気に入った他国の10曲に投票し、お気に入り順に12, 10, 8-1点として採点しました。演目終了後、衛星回線を通じて各国のテレビ局の代表者が口頭で結果を発表し、プレゼンターが復唱確認し、スコアボードに加算していきました。

優勝は、ノルウェー代表シークレット・ガーデンの「ノックターン」でした。しかし、この曲は大部分がインストゥルメンタルであったため、大会終了後、大きな議論を呼びました。その結果、ユーロビジョンのルールに「出場曲は歌詞のあるものとする」という条項が追加されることになりました。アイルランドの4連覇は辛うじて阻止されましたが、シークレット・ガーデンのヴァイオリニストであるフィンヌーラ・シェリーはアイルランド人であり、複雑な感情が残りました。

ユーロビジョン・ソング・コンテスト1995は、アイルランドの苦悩と革新が交錯する、記憶に残る大会となりました。

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