ユーロビジョン・ソング・コンテスト2003

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2003：魔法のランデブー

2003年5月24日、ラトビアの首都リガにあるスコント・ハレで、第48回ユーロビジョン・ソング・コンテストが開催されました。主催はラトビア国営放送(LTV)。資金難を乗り越え、エストニアやスウェーデンの放送局の協力を得て実現しました。テーマは「魔法のランデブー (Magical Rendez-vous)」。

大会の舞台裏

当初、LTVは資金調達に苦労しましたが、政府からの融資とスポンサーの協力で開催にこぎつけました。放送機材や技術面では、エストニア・テレビ(ETV)と[スウェーデン・テレビ]の支援を受けました。会場選定やデザインには競争入札制度が導入され、より洗練された大会運営が目指されました。

プレゼンターは、前年の優勝者マリー・Nと、2000年大会で3位入賞したブレインストームのレナール・カウパーが担当。英語とフランス語を巧みに操り、大会を盛り上げました。幕間には、第1回優勝者のリス・アシア、エルトン・ジョン、宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士からのメッセージが届けられました。

参加国

今大会にはウクライナが初参加し、参加国数は過去最高の26ヶ国となりました。アルバニアも参加を希望しましたが、参加枠の都合で出場は叶いませんでした。前年の成績下位国は出場権を失うルールにより、デンマーク、リトアニア、スイス、フィンランド、マケドニアが欠場となりました。ただし、イギリス、フランス、ドイツ、スペインはEBUへの貢献度から、このルールの適用外となっています。

投票方式

各国は自国以外の国に1〜8、10、12点を配点します。多くの国では、視聴者からの投票を電話やメールで集計し、その結果を基に配点を行いました。しかし、アイルランド、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ロシアの3ヶ国は、審査員の裁量で配点を決定しました。ロシアの配点については、イギリスやアイルランドへの配点が不当に低いとの批判が上がりました。

同点時のルールも変更され、12点の獲得数が多い方が上位、それも同数の場合は10点の獲得数で順位を決定することになりました。

結果

トルコ代表のセルタブが優勝しました。トルコは1975年から参加していましたが、優勝は初めてのことでした。セルタブはトルコ国内では既にスターでしたが、英語で歌い、ベリーダンススクールの生徒をダンサーとして起用するなど、視覚的な効果も高めました。

一方、イギリス代表のジェミニは、音程を外した上に歌詞の内容も不快だったため、得点を獲得できませんでした。BBCは、インカムの不調が原因だと釈明しましたが、イギリスは永久シード権を保有しているため、翌年も出場することになりました。

大会の意義

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2003は、音楽を通じた国際交流の場として、多くの人々に感動と興奮を与えました。政治的な要素や投票方法への批判もありましたが、この大会はヨーロッパの文化的多様性を象徴するイベントとして、その存在感を示し続けています。

もう一度検索