ユーロビジョン・ソング・コンテスト2012

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2012

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2012（第57回）は、2011年大会でアゼルバイジャンが優勝したことにより、同国のバクーで開催されました。準決勝は5月22日と24日、決勝は5月26日に行われ、スウェーデン代表のロリーンが優勝しました。

会場

当初、国旗広場近くに2万3千人収容の会場を建設する計画が発表されましたが、その後、トフィク・バフラモフ・スタジアムやヘイダル・アリエフ・コンプレックスも候補に挙がりました。最終的には、バクー・クリスタル・ホールが会場に決定。この会場は最大2万3千人を収容可能ですが、大会では観客数を1万6千人に制限しました。

人権問題

アゼルバイジャンの大会主催には、同国の民主主義や人権状況を隠蔽するものとして、西側諸国から批判の声が上がりました。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、バクー・クリスタル・ホール建設のために住民が強制退去させられたと指摘。また、大会に参加したロリーンは、アゼルバイジャンの人権活動家と面会し、人権侵害について公に発言しました。決勝では、ドイツの得点発表者がアゼルバイジャンの人権状況を暗に批判するコメントをするなど、大会は政治的な側面も帯びました。

イランとの緊張

イラン政府は、アゼルバイジャンがユーロビジョン・ソング・コンテストを主催することに反対を表明。アゼルバイジャンを「反イスラム的」と非難し、バクーで同性愛者のパレードが開催されると主張しました。これに対し、アゼルバイジャンはイランに内政干渉をしないよう求め、両国間で大使を召還する事態に発展しました。アゼルバイジャン国防省は、バクーで開催されるユーロビジョン・ソング・コンテストを標的としたテロリスト攻撃を回避したと発表しました。

大会概要

チケットは2012年2月28日よりオンラインで販売されました。主催放送局はアゼルバイジャンの公共放送であるイジティマイ・テレビジョンで、ドイツのブレインプールTVが制作パートナーを務めました。投票方式は、視聴者投票と審査員投票を1:1の割合で合算する方式が維持されました。準決勝は2つに分けられ、それぞれ上位10か国が決勝に進出。これに主催国と「Big 5」と呼ばれる主要5か国が加わり、決勝は26か国で争われました。

参加国

当初、43か国が参加を予定していましたが、アルメニアが安全上の理由から参加を取りやめました。モンテネグロは2009年大会以来の復帰を果たし、ポーランドはUEFA EURO 2012やロンドンオリンピックとの予算の兼ね合いから不参加を決定しました。

結果

決勝では、スウェーデン代表のロリーンが優勝しました。各国からの得点詳細は、欧州放送連合と監査法人プライスウォーターハウスクーパースによって検査・確認され、発表されました。

その他の国

アンドラ、チェコ、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、モナコ、モロッコ、ポーランドは、様々な理由から2012年大会への不参加を決定しました。

マルセル・ブザンソン賞

決勝での優れた参加曲に対して与えられるマルセル・ブザンソン賞は、記者賞、アーティスト賞、作曲家賞の3つの部門があります。

OGAE

ユーロビジョン・ソング・コンテストのファンクラブであるOGAEは、毎年、独自の投票イベントを実施しています。2012年大会でも各国支部による投票が行われました。

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