ユーロビジョン・ソング・コンテスト2013

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2013：マルメ開催、団結のテーマ

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2013（第58回）は、2013年5月にスウェーデンのマルメで開催されました。前年のユーロビジョン・ソング・コンテスト2012でスウェーデン代表のロリーンが優勝したため、スウェーデンが主催国となりました。スウェーデンでの開催は2000年以来5回目。会場はマルメ・アリーナが選ばれ、準決勝は5月14日と16日、決勝は5月18日に行われました。司会はペートラ・メーデが務めました。

参加国は39か国。アルメニアが復帰する一方で、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ポルトガル、スロバキア、トルコは参加を見送りました。大会のテーマは「We are one」で、文化的差異を超えた参加国の平等と団結を象徴するデザインが採用されました。スウェーデンは自国のプロモーションよりも、参加アーティストに焦点を当てた演出を行いました。

優勝はデンマーク代表のエメリー・デ・フォレストで、楽曲は「Only Teardrops」。2位のアゼルバイジャン代表に48点差をつける281点で優勝しました。スウェーデン開催の大会でデンマークが優勝するのは2度目です。3位はウクライナ、4位はノルウェー、5位はロシアでした。

「Big 5」と呼ばれる準決勝免除国からは、イタリア代表が7位入賞。オランダは2004年以来の決勝進出を果たし9位に入賞しました。一方で、ユーゴスラビア崩壊後の各国は決勝に進出できませんでした。

開催地と選定

マルメ・アリーナが会場となったのは、スウェーデン・テレビがより小さな会場を希望したためです。マルメはスウェーデンで3番目に大きな都市であり、エーレスンド地域の一部としてデンマークのコペンハーゲンとも近い関係にあります。

開催地選定では、当初ストックホルム、ヨーテボリ、マルメが候補に挙がりましたが、ストックホルムはアイスホッケー世界選手権で使用不可となり、ヨーテボリは他のイベントとの兼ね合いで候補から外れました。スウェーデン・テレビは大会を1都市で開催することを重視しました。

大会の形式と変更点

投票方法は、視聴者票と審査員票を合わせたもので、審査員は自国を除く全ての参加曲を順位付けし、視聴者投票の結果も同様に順位付けした上で合算する形式でした。視聴者投票には専用アプリが用意されました。

司会は通常2～3人ですが、今回はペートラ・メーデが単独で務めました。これは1995年以来のことです。また、エリック・サーデが控え室担当司会を務めました。

視覚デザインとチケット販売

大会の視覚デザインはHappy F&Bが担当し、チョウの意匠とスローガン「We Are One」が発表されました。各国の代表アーティストが登場する「ポストカード」と呼ばれる短いビデオ・クリップも導入されました。

チケットは公式発売まで待つように呼びかけられ、2012年11月21日に発売が開始されました。

スポンサーと準決勝の組分け

テリア・ソネラやシュワルツコフなどの企業がスポンサーとなりました。準決勝の組分けは、デンマークとノルウェーのファンがチケット確保で衝突しないように、またイスラエルの祝日を考慮して行われました。組分けは、投票傾向が似通った国同士による不公平を避けるため、くじ引きではなくプロデューサーによって決定されました。

参加国と再出場のアーティスト

アルメニアが復帰し、39か国が参加しました。サンマリノ代表のヴァレンティーナ・モネッタは2年連続出場。ブルガリア代表は2007年大会でも共演したエリツァ・トドロヴァとストヤン・ヤンクロフでした。

結果とその他の賞

デンマークが優勝し、マルセル・ブザンソン賞では記者賞、アーティスト賞、作曲者賞が選出されました。OGAEのファン投票では、上位入賞国が決定されました。

大会を巡る出来事

大会では、不正投票疑惑、アゼルバイジャン、ロシア、ベラルーシ間の得点問題、優勝曲の盗作疑惑、フィンランド代表の同性キスなどが議論を呼びました。また、オランダの審査員が事前に審査員であることを口外したため、交代する事態となりました。

エリック・サーデが司会のペートラ・メーデに対して不適切な発言をし、物議を醸しました。さらに、決勝の開票中、4か国の結果発表を残してデンマークの優勝が確定したことが発表され、話題となりました。

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2013は、音楽だけでなく、様々な議論や出来事を通じて、国際的な関心を集めるイベントとなりました。

もう一度検索