ユーロビジョン・ソング・コンテスト2015

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2015：60周年記念大会

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2015、通称第60回ユーロビジョン・ソング・コンテストは、2015年5月にオーストリアのウィーンで開催されました。前年大会でオーストリア代表のコンチータ・ヴルストが優勝したことにより、オーストリアが主催国となり、1967年大会以来2度目の開催となりました。準決勝は5月19日と21日、決勝は23日に行われ、ミリヤム・ヴァイフゼルブラウン、アリーセ・トゥムラー、アラベラ・キースバウアーが司会を務めました。

60周年記念とオーストラリアの初参加

今大会はユーロビジョン・ソング・コンテストの60周年を記念し、オーストラリアが初めて参加しました。また、キプロス、チェコ共和国、セルビアが大会に復帰する一方で、ウクライナは国内情勢と経済的な理由から不参加となりました。

開催地決定の経緯

2014年8月6日、オーストリア放送協会は開催地をウィーンに決定し、会場は1万6千人以上を収容できるヴィーナー・シュタットハレに決定しました。

当初、ウィーンとザルツブルクが候補に挙がりましたが、その後、クラーゲンフルト、インスブルック、グラーツなども開催意欲を示しました。ウィーンはヴィーナー・シュタットハレとメッセ・ウィーンを候補として挙げ、それぞれ1万6千人、3万人の収容能力がありました。他の都市の施設では、屋根の設置工事が必要となるなどの課題がありました。

2014年5月29日、オーストリア放送協会と欧州放送連合は会場の要件を公表しました。会場は開催日の6-7週間前から1週間後まで使用可能であること、屋根付きで空調機能があり1万人以上の収容能力があること、天井までの高さが15メートル以上であることなどが求められました。また、出場者の控室（グリーンルーム）は300人以上を収容できること、飲食スペースとして6千平方メートル以上、視聴覚室、メイク室、衣装室、各国放送局の中継室50室を有することなども要件として掲げられました。

2014年6月13日の立候補締切後、ウィーン、インスブルック、グラーツの3都市が候補地となりました。

大会の形式

コンテストは2つの準決勝と決勝から構成され、各準決勝の上位10か国が決勝に進出します。主催国のオーストリアと「Big 5」と呼ばれるイギリス、イタリア、スペイン、ドイツ、フランスは決勝からの出場となります。また、60周年を記念してオーストラリアも決勝から出場します。

欧州放送連合は、1956年の初回大会以降のすべての大会の記録化に着手し、2015年大会までにその成果を公開しました。

準決勝の組分けと出場順

各国がどちらの準決勝に参加するかは、2015年1月26日に発表されました。出場順は大会運営者によって決定され、欧州放送連合の大会総監督および諮問団の承認を受けることとされました。

視覚デザインとスローガン

2014年7月31日、欧州放送連合は60周年にあわせて刷新した大会ロゴを公表しました。2014年9月11日には、大会のスローガン「Building Bridges（橋を架ける）」が発表されました。このスローガンは、音楽が国や文化、言語を結ぶ橋となることを願う意味が込められています。

コンテストの視覚デザインは波状の模様を取り入れ、多様性に富んだ人々を結び、出会いの場となる橋を象徴しています。

司会と運営体制

ミリヤム・ヴァイフゼルブラウン、アリーセ・トゥムラー、アラベラ・キースバウアーの3人が司会を務めました。司会が女性ばかりで3人というのは史上初めてのことです。前年大会の優勝者コンチータ・ヴルストは出場者控室（グリーンルーム）の担当司会となりました。

大会の監督には、オーストリア放送協会のエドガー・ベームが指名されました。

60周年記念番組

ユーロビジョン・ソング・コンテストの60周年を記念する番組が英国放送協会（BBC）によって製作されました。この番組はロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催され、グラハム・ノートンとペートラ・メーデが司会を務めました。

参加国と再出場のアーティスト

2014年12月23日、39か国が2015年大会に出場することが発表されました。キプロス、セルビア、チェコ共和国が復帰し、ウクライナは不参加となりました。また、オーストラリアが特別に参加することとなりました。

サンマリノ代表のミケーレ・ペルニオーラとアニータ・シモンチーニは、それぞれジュニア・ユーロビジョン・ソング・コンテストへの出場歴があります。マルタ代表のアンバー・ボンディンは2012年大会でマルタ代表のバックヴォーカルを務めました。

結果とその他の国

準決勝1には16か国が、準決勝2には17か国が出場しました。決勝には、準決勝を勝ち抜いた国々に加え、主催国、Big 5、オーストラリアが参加しました。

欧州放送連合に加盟している放送局のみがユーロビジョン・ソング・コンテストに参加できます。多くの国が招待状を受け取りましたが、参加を見送った国もあります。

政治的な歌詞

アルメニア代表曲は、アルメニア人虐殺への否定を批判する内容であったため、アゼルバイジャンから批判を受けました。ギリシャの代表曲は、ギリシャ財政危機を反映しているという見方もありました。

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