ユーロビジョン・ソング・コンテスト2022

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2022：トリノでの音楽の祭典

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2022（第66回）は、2022年5月にイタリアのトリノで開催されました。前年の大会でイタリア代表のマネスキンが優勝したことで、イタリアが開催国となりました。会場はパラスポーツ・オリンピコで、準決勝は5月10日と12日、決勝は5月14日に行われました。

大会概要

この大会には、アルメニアとモンテネグロが復帰し、前回大会に出場したロシアを除く40か国が参加しました。ウクライナのヒップホップグループ、カールシュ・オーケストラが「Stefania」で優勝し、ウクライナにとって6年ぶり3回目の優勝となりました。視聴者票では、2017年大会の最高得点を更新しました。

2021年大会で無得点だったイギリスは審査員票で1位となり、総合2位に入りました。一方、ドイツは審査員票で無得点となり、最下位に終わりました。

開催地決定までの道のり

イタリアでの開催が決まった後、多くの都市が開催に意欲を示しました。イタリア放送協会（RAI）と欧州放送連合（EBU）は、開催都市の条件を発表し、最終的にトリノが選ばれました。

開催都市の条件

国際空港から90分以内に到着可能
2000室以上のホテル客室が確保できる
屋内施設で空調完備
8000〜10000人収容可能
放送設備や報道陣スペースなどが必要
開催7週間前から終了後1週間は主催者が独占利用できる

当初、17都市が立候補し、最終的にトリノが開催地に決定しました。

出場国と準決勝の組分け

アルメニアとモンテネグロが復帰しましたが、アンドラ、スロバキア、ルクセンブルク、モナコ、ボスニア・ヘルツェゴビナは不参加。ベラルーシは会員資格停止、ロシアはウクライナ侵攻により出場できませんでした。準決勝の組分けは1月25日にトリノで行われました。

ポストカード

各国のポストカードでは、「レオ」というドローンがイタリア各地を飛び回り、参加アーティストの映像を放映する形式が用いられました。

参加者と結果

新型コロナウイルス感染症の影響で、バッキングボーカルの事前録音が許可されました。過去の大会に出場経験のあるアーティストも複数参加しました。

準決勝1

5月10日に開催され、17か国が出場し、10か国が決勝に進出しました。イタリアとフランスが投票に参加しました。

準決勝2

5月12日に開催され、18か国が出場し、10か国が決勝に進出しました。ドイツ、スペイン、イギリスが投票に参加しました。

決勝

決勝は5月14日に開催されました。

大会中の出来事

ロシアのウクライナ侵攻の影響

ウクライナの国内予選で選出された代表が、過去のクリミア渡航により棄権。その後、カールシュ・オーケストラが代表となりました。ロシアの出場は取り消され、ウクライナ代表の出国が特例で許可されました。

親ロシア派によるサイバー攻撃

ユーロビジョンのウェブサイトが、親ロシア派のハッカー集団によるサイバー攻撃を受けました。

イスラエルの撤退示唆

イスラエルが、国内保安庁のストライキにより安全が確保できないとして、一時撤退を示唆しました。後に協定を結び出場可能となりました。

舞台設備の不具合

舞台の「昇る太陽」のテーマの装置が、モーターの不具合で動かなくなりました。

北マケドニアの国旗

北マケドニア代表が国旗を投げた行為が問題視され、謝罪する事態となりました。

投票結果の混乱

準決勝での一部の国々の審査員投票結果が、不規則な投票パターンとして却下され、代替の投票結果が用いられました。決勝でも、技術的な問題で一部の国の審査員投票結果が、現地発表と異なる結果となりました。

司会者の不在

司会者の1人が、低血圧により一時的に不在となりました。

まとめ

ユーロビジョン・ソング・コンテスト2022は、多くのドラマと混乱がありましたが、音楽の祭典として、多くの人々に感動と興奮を与えました。ウクライナ代表の優勝は、世界中の人々に勇気を与え、忘れられない大会となりました。

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