ヨエル・ロメロ

ヨエル・ロメロ

ヨエル・ロメロ（Yoel Romero）は、1977年4月30日生まれのキューバ出身の総合格闘家およびレスリング選手です。ピナール・デル・リオ州の出身で、現在はアメリカフロリダ州マイアミに在住し、アメリカン・トップチームに所属しています。ロメロは、Bellatorの世界ライトヘビー級ランキングで3位にランクインしており、オリンピックでは2000年シドニー大会で男子フリースタイル85kg級の銀メダルを獲得した実績があります。

来歴

アマチュアレスリングからオリンピックへ

ロメロは1999年にレスリング世界選手権で金メダリストのハジムラド・マゴメドフを破り、男子フリースタイル85kg級で優勝しました。翌2000年にはシドニーオリンピックに出場し、決勝戦でアダム・サイティエフに敗れ、銀メダルを獲得します。その後も2002年および2005年にレスリング世界選手権で準優勝を果たし、2004年のアテネオリンピックでは3位決定戦で敗れるものの、国際的な舞台での実績を積み重ねました。

2007年にはドイツの大会で優勝した後、故郷のキューバに帰国せずにドイツに亡命し、レスリングキャリアを続けることになります。

総合格闘技キャリアの始まり

ロメロは2009年にドイツでプロ総合格闘技のデビューを果たし、4戦4勝4KOという素晴らしいスタートを切りました。しかし、2011年にStrikeforceに初出場し、そこで初の黒星を喫します。この試合で首の怪我を負い、2013年にUFCにデビューするまでしばらく空白期間が生まれました。

UFCでの戦い

2013年4月にはUFCに初出場し、クリフォード・スタークスと対戦して勝利を収めました。その後も数々の名勝負が続き、2014年1月のデレク・ブランソン戦やブラッド・タヴァレス戦では逆転劇を見せました。特に2014年9月のティム・ケネディ戦では、パウンドで逆転TKO勝ちを収め、ファイト・オブ・ザ・ナイトも受賞しました。

2016年に入ると、USADAによるドーピング陽性反応が発覚し、一時は豊なキャリアに陰りが出るも、その後の制裁により状況は改善されました。2016年11月のクリス・ワイドマン戦では、カウンターの跳び膝蹴りでKO勝ちを収め、再び注目を集めることに成功します。

対戦スタイルとフィジカル

ロメロのファイトスタイルは、オリンピックでのレスリングの経験を持ちながらも、スタンドでの打撃を主体とするものです。彼のテイクダウン成功率は約35%とそこまで高くありませんが、打撃センスに優れ、パワフルなパンチや多彩な蹴り技を駆使して相手を圧倒します。年齢を重ねてもなお体格は恵まれ、打たれ強さも特筆すべきもので、数多くの逆転勝利を演じてきました。

私生活とエピソード

ロメロは敬虔なクリスチャンであり、ニックネームの「ソルジャー・オブ・ゴッド」はこの信念に由来しています。また、彼のヒーローはイエス・キリストで、神のメッセージを広めることが自身の使命と語っています。さらに、弟のヨアン・パブロ・エルナンデスは元プロボクサーのIBF世界クルーザー級王者です。2023年にはアメリカ市民権を取得し、家庭では既婚者で3人の子供がいることが知られています。

Bellatorでの新たな挑戦

2020年にUFCからリリースされたロメロは、Bellatorと契約して新たに競技人生を続けています。彼はBellatorライトヘビー級での対戦を重ねており、近年も新たな戦績を重ねています。

戦績とタイトル獲得

ロメロはレスリングの実績を活かしつつ、様々な道で素晴らしいキャリアを築いてきました。数々の大会で優勝を果たし、特にレスリング世界選手権では優勝めされました。彼の活躍は、今後も目が離せない選手の一人です。

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