ヨシプ・シムニッチ

ヨシプ・シムニッチ：不屈の精神を持つ元クロアチア代表DF

ヨシプ・シムニッチ（Josip Šimunić, 1978年2月18日 - ）は、オーストラリア・キャンベラ出身の元クロアチア代表サッカー選手であり、現在はサッカー指導者として活躍しています。ポジションは主にDFを務めていました。

クラブでの軌跡

ボスニア系の家族の下、オーストラリアで生まれたシムニッチは、幼少期からオーストラリア国立スポーツ研究所で才能を磨き、メルボルン・ナイツFCでプロのキャリアをスタートさせました。1995-96シーズンには早くもリーグ優勝を経験し、その才能を開花させます。

1998年、シムニッチはドイツへ渡り、ハンブルガーSVに加入。しかし、ここでは出場機会に恵まれず、ヘルタ・ベルリンへ移籍することになります。

ヘルタ・ベルリンでは、中心選手として活躍。9シーズンに渡り、リーグ戦222試合に出場しました。2008-09シーズンには、リーグ最少失点3位となる堅守を築き、キッカー誌選定の年間最優秀DF賞を受賞するなど、評価を高めました。

その後、TSG1899ホッフェンハイムを経て、2011年にクロアチアのNKディナモ・ザグレブへ移籍。ここでは、リーグ優勝や国内カップ優勝を経験し、UEFAチャンピオンズリーグにも出場するなど、充実した日々を送りました。

クロアチア代表としての誇り

オーストラリア代表としての資格も有していたシムニッチですが、クロアチア人の両親の祖国であるクロアチア代表を選択。2001年にクロアチア国籍を取得し、代表デビューを果たしました。

2002 FIFAワールドカップでは、グループリーグ全3試合に出場。その後も、UEFA EURO 2004、2006 FIFAワールドカップ、UEFA EURO 2008といった主要な国際大会に出場し、クロアチア代表の主力として活躍しました。

しかし、2006 FIFAワールドカップでは、主審の誤審により3枚のイエローカードを受け退場となるという不運に見舞われました。また、2014 FIFAワールドカップ予選後には、政治的なチャントを行ったとしてFIFAから出場停止処分を受け、本大会への出場を逃すという悲劇も経験しました。

指導者としての新たな挑戦

現役引退後、シムニッチは指導者の道へ進みます。2015年にはクロアチア代表のアシスタントコーチに就任し、2019年からはU-19クロアチア代表の監督を務めるなど、次世代の育成に力を注いでいます。

プレースタイルと評価

センターバックでありながら、高度なテクニックを持つ選手として知られていました。代表での同僚であったニコ・クラニチャールは、練習でのシムニッチを「まるでロナウジーニョのよう」と評しています。

ヨシプ・シムニッチは、その強靭なフィジカルと高い戦術理解度で、クロアチアサッカー界に多大な貢献を果たしました。選手としてのキャリアは波瀾万丈でしたが、常に祖国への愛とサッカーへの情熱を持ち続け、ピッチ内外でその存在感を示しました。現在は指導者として、その経験と知識を次世代に伝えています。

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