UEFA EURO 2008

UEFA EURO 2008 概要

UEFA EURO 2008は、2008年6月7日から6月29日にかけて、オーストリアとスイスで行われた第13回欧州選手権です。この大会では、スペインが1964年以来44年ぶりに優勝を飾りました。

開催国選定の経緯

今大会の開催国選定では、オーストリアとスイスの他にもギリシャ、トルコ、スコットランド、アイルランドなどが候補に挙がりましたが、最終的に2か国の共同開催が決まりました。UEFA欧州選手権における2か国共同開催は、EURO2000以来二度目の試みでした。

予選

大会予選は2006年8月16日から2007年11月21日まで行われ、欧州各国が7つのグループに分かれて、ホーム・アンド・アウェイのリーグ戦を戦いました。予選には50の国と地域が参加し、各グループの上位2チームが本大会への出場権を得ました。中でもイングランドはグループEで3位に終わり、本大会出場を逃す波乱が起こりました。

本大会

本大会では、スペインが見事に優勝を収めました。スペインは、過去の大会で早期敗退を繰り返しながらも、今大会では16戦無敗で臨みました。大会前に監督のルイス・アラゴネスは、優れたパスサッカーを展開する「クアトロ・フゴーネス」と呼ばれる4人のゲームメーカー（シャビ、イニエスタ、シルバ、ファブレガス）を中心にした戦術を採用しました。

グループリーグでは3連勝し、準々決勝ではイタリアとのPK戦を制し、準決勝ではロシアを撃破。決勝戦ではドイツに対して圧倒的な試合運びを見せ、44年ぶりの栄冠を手にしました。特に、スペインの守備陣も素晴らしく、キャプテンのイケル・カシージャスはその存在感を示し、完璧なパフォーマンスを披露しました。

トルコとロシアの躍進

この大会では、トルコとロシアも注目される存在となりました。トルコは初戦での敗北から奇跡的な逆転劇を繰り返し、決勝トーナメントまで進出。特に準々決勝のクロアチア戦では、延長戦での劇的な同点ゴールからPK戦を制し、歴史的なベスト4入りを果たしました。ロシアは監督ヒディンクのもとで、選手たちが予想以上の力を発揮し、ベスト4まで進出する成果を上げました。

予想外の結果

大会には、過去のワールドカップで成功を収めたイタリア、フランス、ドイツ、ポルトガルなどが参加しましたが、多くの強豪が順調に勝ち進むことはできませんでした。特にフランスとイタリアはグループリーグで早々に敗退し、両国とも世代交代がうまく進んでいないという問題が指摘されました。

また、ホスト国オーストリアとスイスも苦境に立たされ、両国ともグループリーグでの敗退となり、開催国としての成績は期待外れに終わりました。

結果と評価

本大会の結果は参加国に深い印象を与えました。特にスペインはそのスタイルと結果で多くのサッカーファンを魅了し、トルコやロシアの戦いぶりも印象的でした。これにより、サッカーの戦術や育成に関する議論も活発化し、将来への示唆をもたらしました。大会を通じて、予想を覆す展開や感動的な瞬間が数多くあり、サッカーの魅力が再確認されることとなったのです。

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