ヨジババ

ヨジババ

ヨジババは、主に学校を舞台にした怪談、都市伝説の一つとして知られています。その起源は古く、1970年代前半には既に語られていたとされ、東京都、大阪府、愛知県、滋賀県など、日本各地で様々なバリエーションが存在します。

概要

怪談の基本的な内容は、午後4時頃に学校内の特定の場所にいると、正体不明の老婆に襲われるというものです。老婆は子供をさらうとされ、四次元の世界に引きずり込む、あるいは何もない世界へ連れて行くなど、恐ろしい存在として語られます。

老婆に遭遇した場合、金縛りに遭う、トイレに閉じ込められるといった現象が起こるとも言われます。また、老婆は人間を殺害するという説もあり、赤いマフラーで絞殺する、鎌で斬り殺すなど、具体的な殺害方法も語られています。

他の怪談話と同様に、ヨジババも設定に多くのバリエーションが存在します。出現時刻は「午後4時」の他に、「午後4時4分」「午後4時44分44秒」「4月4日4時44分44秒」など、様々なパターンがあります。また、その表記や読み方も「ヨジババア」「よじばば」「4時ババ」「四時ババ」「四次元ばばあ」など、一定していません。出現場所も4番目のトイレ、黒板、竹薮など、地域や時代によって異なります。

しかし、これらのバリエーションに共通しているのは、「午後4時」という時刻と「老婆」という存在です。この二つの要素が、ヨジババを学校の怪談として成立させていると言えるでしょう。

色に関するモチーフが加えられている場合もあります。例えば、午後4時にトイレに入ると「赤、青、黄、どれがいる?」という声が聞こえ、「赤」と答えると赤いマフラーで絞殺され、「青」と答えると血を抜かれて真っ青になり、「黄」と答えると助かる、といった内容です。また、色についての問いに対し「四字ババ色と肌色」と答えなければ殺されるという説もあります。

老婆の姿についても、様々な説が存在します。血だらけの老婆、人骨を積んだ乳母車を押している老婆、透き通った目だけで現れる老婆など、具体的な描写は少ないものの、想像力を掻き立てる要素が盛り込まれています。

名前や場所、時刻に「4」が絡むのは、「4」が「死」を連想させることから、ヨジババの恐ろしさを暗示していると考えられています。

城陽市のヨジババ

ヨジババの怪談が全国的に広まったのは1990年代前半ですが、京都府城陽市近隣では比較的古くから子供たちの間で語り継がれてきた伝承が存在します。城陽市寺田にある水度神社の境内には、古びた着物を着た老婆の姿が描かれた大きな絵馬が奉納されており、江戸時代のものと伝えられています。この絵馬に描かれている夜叉あるいは山姥が「ヨジババ」とされ、午後4時までに帰宅しない子供をさらうと言い伝えられています。

2009年には、この伝承を元に東義久が創作人形劇「こうの巣山のヨジババ」を城陽市の図書館司書と共同で制作し、城陽市内の小学校で上演されています。

四次婆

東京テレメッセージ（初代）のポケットベル事業において、かつて学生生徒向けに提供されていたコンテンツに四次婆シリーズがありました。これは、4次元世界に住んでいるという架空のキャラクター「四次婆」とポケットベルでメッセージをやり取りするという内容で、女子中学生や女子高生から一定の評価を得ました。メッセージの配信時刻が午後4時4分4秒に設定されているなど、ヨジババの怪談話を踏まえた内容となっていました。

後にこのシステムを拡張して、受験生向けに様々な入試問題を配信する「四次婆ゼミナール」などのコンテンツも配信されました。

関連項目

都市伝説
学校の怪談
三時ババア
集団ヒステリー

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