ヨハネス17世 (ローマ教皇)

ヨハネス17世は、11世紀初頭にローマ教皇を務めた人物です。彼の在位期間は、1003年6月13日から同年11月6日までのわずか5ヶ月でした。本名をジョバンニ・シッコといい、ローマ出身です。当時のローマの実力者であったヨハネス・クレッシェンティウスによって教皇に指名され、シルウェステル2世の後を継いで教皇の座に就きました。

ヨハネス17世の短い在位期間は、彼の生涯や業績に関する詳細な記録を乏しくしています。しかし、彼が聖職に叙階される前に結婚しており、3人の息子が司教になったことは特筆すべき点です。これは当時の聖職者の結婚が一般的ではなかったことを考えると、異例の出来事でした。

また、ヨハネス17世の名前にまつわる混乱も、彼を語る上で欠かせない要素です。教皇ヨハネスという名前は、彼以前にも複数存在しており、特に16世と17世の番号を巡る混乱は複雑です。一般的には、16世は対立教皇とされており、本来ならば17世は16世を名乗るべきでした。しかし、実際には17世として記録されています。これは、14世と15世の間に、伝説上の教皇ヨハネスが存在したとする説があり、その伝説の教皇を「16世」と数えたことが影響しています。そのため、16番目の「教皇ヨハネス」は、17世を名乗ることになったと考えられます。ヨハネス17世自身が自らを17世と称していたことから、当時の認識も17番目であったことがわかります。

さらに、一部の歴史学者によると、ヨハネス17世は「18世」とされたり、「17世（18世）」と併記されることもあったとされています。この混乱は、後世の教皇の番号にも影響を与えました。例えば、20世が存在しなかったにもかかわらず、その後に21世、22世、そして23世と数えられています。このことから、ヨハネス17世の名前を巡る混乱は、単なる数字の問題にとどまらず、教皇の歴史における複雑な要素を象徴していると言えるでしょう。

ヨハネス17世の在位期間は短く、特筆すべき業績は少ないかもしれませんが、彼の名前を巡る混乱は、教皇史における興味深いトピックの一つです。彼の生涯を辿ることで、中世の教皇制度の複雑さや、歴史記録の曖昧さを垣間見ることができるでしょう。

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