ヨハン・カジミール (プファルツ＝ジンメルン公)

ヨハン・カジミール・フォン・プファルツ＝ジンメルン（1543年3月7日 - 1592年1月6日）は、プファルツ選帝侯家の公子であり、プファルツ＝ジンメルン公でした。1583年から1592年まで、プファルツ選帝侯領の摂政を務めました。

生涯

プファルツ選帝侯フリードリヒ3世と、その妃であるブランデンブルク＝クルムバッハ辺境伯カジミールの娘マリーの三男として生まれました。1570年1月6日、ヨハン・カジミールはハイデルベルクでザクセン選帝侯アウグストの娘エリーザベト（1552年 - 1590年）と結婚しました。この結婚は、神聖ローマ帝国のルター派諸侯のリーダーであるザクセン選帝侯と、カルヴァン派諸侯のリーダーであるプファルツ選帝侯、両家の関係を強化するための政略結婚でした。

しかし、夫婦間の宗派の違いから結婚生活はうまくいかず、ヨハン・カジミールは妻に自宅謹慎を命じ、日中は部屋から出ることを禁じました。エリーザベトは亡くなるまで幽閉されたままだったとされています。

1571年から10年間、ヨハン・カジミールはカイザースラウテルンに宮廷を置きました。1576年に父である選帝侯フリードリヒ3世が亡くなると、プファルツ選帝侯領をカルヴァン派の領邦として維持するようにとの遺言が残されました。兄のルートヴィヒ6世が選帝侯位とプファルツ選帝侯領の大部分を継承し、ヨハン・カジミールはカイザースラウテルンとその周辺地域からなる小規模なプファルツ＝ラウテルン公領を与えられました。ところがルートヴィヒ6世は密かに母親によってルター派として育てられており、父の遺志に反してルター派教会を支援しました。その結果、ザカリアス・ウルシヌスをはじめとする多くの神学教授たちが、選帝侯の支配下にあるハイデルベルク大学を去り、ヨハン・カジミールが1578年に創設した「コレギウム・カジミリアヌム」に迎えられました。

1576年、ヨハン・カジミールは4000人の軍勢を率いて、宗教内戦で混乱していたフランスに侵攻し、ユグノーを支援しました。この遠征中、フランス王アンリ3世から一時的にエタンプ公爵の称号を与えられました。1583年に兄が亡くなると、甥のフリードリヒ4世が幼少であったため、1592年に亡くなるまで摂政を務めました。

子女

妻エリーザベトとの間に6人の子供をもうけましたが、そのうち3人は名前が記録されておらず、成人したのは1人だけでした。

マリー（1576年 - 1577年）
エリーザベト（1578年 - 1580年）
* ドロテア（1581年 - 1631年） - 1595年、アンハルト＝デッサウ侯ヨハン・ゲオルク1世と結婚

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