ヨハン・ハインリヒ・アウグスト・ティシュバイン

ヨハン・ハインリヒ・アウグスト・ティシュバイン（1750年3月9日 - 1812年6月21日）は、ドイツの画家であり、画家一族であるティシュバイン家の一員でした。彼は「ライプツィヒのティシュバイン」として知られています。

生涯

ティシュバインはマーストリヒトで、画家のヨハン・ファレンティン・ティシュバインを父として生まれました。幼い頃から父親から美術の指導を受け、1768年に父が亡くなると、カッセルに移り住み、叔父であるヨハン・ハインリヒ・ティシュバインの工房で修行を積みました。約4年間の修行後、フランスへ留学し、パリでドイツ人版画家のヨハン・ゲオルク・ヴィレに師事しました。1777年にはイタリアのナポリやローマを訪れ、ジャック＝ルイ・ダヴィッドと親交を深めました。

1780年にドイツへ帰国すると、ヴァルデック＝ピルモント侯国の皇太子フリードリヒ・カール・アウグストの宮廷画家として迎えられました。宮廷画家としての活動の傍ら、1780年代にはオランダへ3度旅行しています。

1795年、アンハルト＝デッサウ公レオポルト3世に雇われましたが、すでに画家としての名声は確立されており、1年後には独立した肖像画家としてベルリンで活動するようになりました。1799年にはドレスデンで成功を収め、1800年にはアダム・フリードリヒ・エーザーの後任として、ライプツィヒの美術学校（Hochschule für Grafik und Buchkunst Leipzig）の校長に任命されました。

1806年にはサンクトペテルブルクへ旅行し、建築家であった兄ルートヴィヒ・フィリップの邸宅に3年間滞在し、ロシア貴族の肖像画を数多く手がけました。

作品の特徴と評価

ティシュバインは、肖像画を得意とし、同時代の著名人たちの姿を数多く描き出しました。彼の作品は、写実的な描写と洗練された色彩感覚が特徴であり、当時の社会や文化を反映した貴重な資料としても評価されています。

主要作品

ゲーテの肖像
フリードリヒ・カール・アウグストの肖像
レオポルト3世の肖像

参考文献

Edmond Michel: Etude biographique sur les Tischbein, peintres allemands du 18me siècle. Lyon 1881.
* Adolf Stoll: Der Maler Johann Friedrich August Tischbein und seine Familie. Ein Lebensbild nach den Aufzeichnungen seiner Tochter Caroline. Strecker & Schröder, Stuttgart 1923. (mit Werkverzeichnis)

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