ヨハン・マリア・ファリナ

ヨハン・マリア・ファリナとオーデコロンの歴史

概要

ヨハン・マリア・ファリナ（Johann Maria Farina）は、1685年にイタリアのサンタ・マリーア・マッジョーレで生まれ、1766年にケルンで亡くなった香水職人です。彼は「オーデコロン」を開発し、香水の歴史に大きな足跡を残しました。その功績により、古い香水の街として名高いケルンを世界に知らしめました。

香水工場の設立

ファリナ氏は1709年の7月13日に、ケルンにて世界最古の香水工場を設立しました。この工場は彼の人生において重要な拠点となり、彼は自身の香水を「Eau de Cologne」（ケルンの水）と名付け、その名が響き渡ることとなります。この香りは、故郷イタリアに対する深い愛情と敬意を象徴しています。

この決定により、ケルンは香水の中心地として知られるようになり、ファリナ氏の香水は次第に有名になっていきました。その後、ケルン市は彼に対する称賛として、市庁舎の塔に彼の石像を設置するなど、彼の業績を称える行動を取りました。

ヨーロッパの宮廷での人気

1734年にはプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム1世に香水を納めることとなり、これを皮切りにヨハン・マリア・ファリナは18世紀においてほとんどのヨーロッパの宮廷にオーデコロンを提供するようになります。ファリナ氏は1708年、彼の兄弟に対し、自らの香水の香りを「故郷イタリアの雨上がりの春の朝、柑橘類の香る風、花々、ハーブなどが思い起こさせる」と記しています。

彼の作品は、ヴォルテールやゲーテといった著名な文化人にも感嘆されたことが知られています。特に英国のヴィクトリア女王はケルンの香りを非常に気に入っており、1837年の即位年にファリナを王室御用達商人に指名します。この流れは、他の多くのヨーロッパの王室にも広がっていきました。

日本における受容

日本においても、ファリナの香水は注目を浴び、1874年2月17日には宮内省からの御用を承るに至ります。このように、オーデコロンの香りは国境を越えて広まり、その歴史は今日においても続いています。8代目のヨハン・マリア・ファリナがその伝統を受け継ぎ、ファリナ家は香水文化の重要な継承者として存在しています。

まとめ

ヨハン・マリア・ファリナは、自身の情熱と才能をもってオーデコロンを世に送り出し、香水の歴史を一新しました。彼の作り出した香りは、時代を超えて多くの人々を魅了し続けています。

参考資料

• -『スパイス スパ百科』- Susannah Marriott(2004年 ISBN 9784882823742)
• - ファリナ家(店舗)のサイト
• - ファリナ家（香水博物館）のサイト

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