ヨハン3世 (スウェーデン王)

ヨハン3世（Johan III）の生涯

ヨハン3世（1537年12月20日 - 1592年11月17日）は、スウェーデン・ヴァーサ王朝の第3代国王であり、同時にフィンランド大公としても知られています。彼は1568年から1592年までスウェーデンを治め、1581年から1592年までフィンランドを統治しました。父であるグスタフ1世と2度目の王妃マルガレータの間に生まれた彼は、時代の変革を背景に様々な困難に直面しました。

生涯の具体的な出来事

ヨハンは幼少期に、父からフィンランドの地を与えられましたが、その後、本国スウェーデンとの関係は次第に冷え込んでいきました。彼は兄であるエリク14世と対立し、一時は幽閉されることもありました。しかし、エリク14世の精神状態が悪化したため、ヨハンは弟のカールと共にクーデターを起こし、兄を廃位させることに成功しました。

彼はポーランド王ジグムント1世の娘カタジナと結婚し、一人息子のシギスムンドをもうけました。この結婚は、当時リヴォニア戦争を背景にした戦略的な同盟の一環とされ、ポーランドとの関係強化を目指したものでした。ヨハンはフィンランドのトゥルク城に居を構え、バルト海地域に影響力を持つようになりました。

1583年にはリヴォニア戦争が終結し、スウェーデンはエストニアを獲得しました。ヨハンはカトリックに対して好意的であり、息子をポーランドでカトリック教徒として育てました。自らの信仰はルター派を維持し、スウェーデン国内の宗教的平和を重視しました。このため、1581年にはフィンランド大公が創設され、ルター派とカトリックのバランスを取る姿勢が見られました。

政治的業績と改革

ヨハン3世は教会改革や財政改革を進め、国の発展に尽力しました。デンマークとの北方七年戦争では勝利を収め、リヴォニア戦争ではロシアを退けてフィンランドの国境を広げました。しかし、その後1590年から始まるロシア・スウェーデン戦争の影響が残ります。息子のシギスムンドは1587年にポーランドの王として迎えられ、ポーランド・ヴァーサ朝が始まりました。カトリックとして育てられたシギスムンドの存在は、スウェーデン内で不満を生む要因ともなり、王朝間の亀裂を引き起こしました。

死去とその後の影響

ヨハン3世は1592年に亡くなりましたが、彼の死後に息子がカトリックのまま王位を受け継いだことで、スウェーデンでは王位請求権に関する問題が発生しました。これにより、スウェーデンとポーランドとの間に複雑な歴史的背景が生成されていきます。

子女について

ヨハン3世は1562年にポーランド王ジグムント1世の娘カタジナと結婚し、3人の子どもを儲けました。1564年から1583年までの生涯において、彼はさまざまな配偶者との間に多数の子女をもうけています。これらの子どもたちは後に、スウェーデン王朝における重要な役割を果たしていくことになります。

このように、ヨハン3世はスウェーデンとフィンランドの歴史において重要な影響を与えた国王であり、その政治的な業績は現代にも色濃く残っています。

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