ヨン・バウエル

ヨン・バウエル：スウェーデンの画家

ヨン・バウエル（John Bauer, 1882年 - 1918年）は、スウェーデンを代表する画家であり、イラストレーターです。彼の作品は、特に童話集『Bland tomtar och troll (小人とトロールの中)』の挿絵として広く知られています。

生涯

ヨン・バウエルは、スウェーデンのヨンショーピング市で、二人の兄弟と一人の姉と共に生まれました。姉が13歳で亡くなったことは、彼の人生に大きな影響を与えたと言われています。父親のシャルキトリー（食肉加工品）製造業を手伝いながらも、彼は常にスケッチや絵を描くことを続けました。

16歳の時、ストックホルムで絵画を学び始め、2年後にはスウェーデン王立芸術アカデミーに入学しました。アカデミーでは、同じく画家であるエステル・エルクヴィストと出会い、1906年に結婚しました。1908年から1910年にかけては、ドイツとイタリアを共に旅行しました。エステルは、バウエルの作品に度々登場し、『妖精姫』のモデルにもなりました。

しかし、次第にエステルはうつ病と自己嫌悪に苦しむようになり、1918年に二人は離婚しました。その年の12月、バウエルは船の難破事故に巻き込まれ、36歳という若さで生涯を終えました。

作品の特徴と影響

バウエルの作品は、ロマンティックで幻想的な雰囲気が特徴です。彼は、スウェーデンの自然や伝説、そして北欧神話に登場する妖精やトロールなどをモチーフに、独特の世界観を表現しました。彼の描く妖精やトロールは、どこか人間味があり、ユーモラスでありながらも神秘的な魅力を放っています。

バウエルの初期の作品は、Albert Engströmやカール・ラーションなど、同時代のスウェーデン人画家の影響を強く受けています。また、イギリスの挿絵画家であるアーサー・ラッカムやエドマンド・デュラックなどからも影響を受けました。彼の作品は、後世の画家やイラストレーター、そしてファンタジー作品に大きな影響を与えました。

ノルウェーのミュージシャン、Mortiisが発表しているアンビエント・ミュージックのアルバムジャケットにも、バウエルの作品が多数使用されています。

参考文献

The Artist John Bauer And His World, Helen Agrenius (curator, Jönköping museum), 1996.
John Bauer Sagotecknaren, Harald Schiller, 1935 (Swedish).

外部リンク

John Bauer Online Gallery at Art Passions
John Bauer Museum （スウェーデン語）

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