ヨーゼフ・カムフーバー

ヨーゼフ・カムフーバーの生涯と業績

ヨーゼフ・カムフーバー（Josef Kammhuber、1896年8月19日 - 1986年1月25日）は、ドイツの陸軍軍人から空軍軍人へと転身し、最終的には空軍大将となった著名な軍人です。彼のキャリアは第一次世界大戦から始まり、第二次世界大戦、さらには戦後の西ドイツ空軍の設立にまで広がります。

幼少期と第一次世界大戦

カムフーバーはオーバーバイエルン地方のブルクキルヒェン・アム・ヴァルトに農民の家庭に生まれました。第一次世界大戦が勃発する際、18歳で軍に志願しバイエルン王国軍の工兵大隊に配属されました。彼は1915年に少尉、1916年にはヴェルダンの戦いに従軍するなど、おおいに経験を積みます。戦後、カムフーバーはヴァイマル共和国軍に入隊し、1923年にはミュンヘン一揆に参加した経験を持ちます。

空軍への転身

1933年から陸軍や航空省での勤務を経て、1935年に設立されたドイツ空軍に所属することになりました。その後、第二次世界大戦での実戦に備え、彼は数々の管理職・指導的立場を任されました。1940年、カムフーバーは西部戦線での飛行団長に任命され、フランス侵攻作戦中には捕虜となる一幕も経験します。

夜間戦闘司令官としての功績

1940年に夜間戦闘部隊を指揮する任に就いたカムフーバーは、ドイツの防空体制を一新し、探照灯や対空砲、レーダー施設を統合的に運用することに尽力しました。夜間戦闘機の迎撃体制を整え、彼は「ヒンメルベット」（天蓋付ベッド）と称されるレーダー網を構築しました。このシステムは、イギリス空軍から「カムフーバー・ライン」と呼ばれることになり、夜間戦闘部隊の中心を成しました。

戦後の活動

戦争敗北後、カムフーバーはアメリカ軍の捕虜となりましたが、その後、ドイツ防空戦に関する書物を執筆し、戦後はアルゼンチンで空軍の育成に貢献します。1956年には西ドイツ空軍の再軍備に関与し、連邦空軍の初代総監に任命されました。1962年までその職にあり、退役後も彼の功績は称えられています。

最後の時代

カムフーバーは1986年にミュンヘンで89歳で亡くなりました。彼は陸軍および空軍における移行期において重要な役割を果たし、戦争や平和における彼の貢献は今もなお高く評価されています。その名はカールスルーエの兵舎にまで名を残すこととなりました。特に「ヒンメルベッド」の成功は、戦争中のドイツ空軍の防空戦術に革命をもたらしたといえます。

もう一度検索